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 まりあと総一が帰った後、弓削は足りない書類を受け取る為に、氷室重工本社と水上マテリアル本社へ行く事になった。  パソコンで送信しようとしたのだが、一部社外秘の物もあったので、万が一の事も考えて受け取りに行くことにしたのだ。  龍嗣も急な折衝が入ってしまい、氷室重工に顔を出す事になり…。  璃音と瑠維、小鳥遊と優の四人が留守番をする事となった。 「…では、璃音様。  優を置いて行きますから、瑠維様と玲の子守をよろしくお願いいたしますね?」 「「えっ!? なんで俺が子守りされる側!?」」  二人が突っ込む。 「うん。 二人がいい子にしてるように見張ってるね?」 「「いい子って何だよ!!」」  ニコニコと請け合った璃音に、再び二人が突っ込んだ。 「この中で、優以外に一番宛てになるのが璃音様なんですけど、何か?」 「「ふざっけんじゃねー!!」」 「なら、ちゃんとお留守番してるんですよ?  ポチ一号とポチ二号」 「「なんで犬っ!? つか、人間扱いも無しかよっ!!」」 「璃音、私も早めに帰って来れるように頑張るから、少しの間だけ我慢していてくれるか?」 「うん。  マムの宇宙塵回収バージョンのプログラム修正して待ってるからね?  行ってらっしゃい」 「行ってきます」  チュ…。  軽く龍嗣が啄むと、璃音も啄み返す。  チュ…。  爪先立ちをしていた璃音を抱き上げ、龍嗣が更に啄むと璃音も少し深く啄んだ。 「んー…?」 「ん……っ」 「こら!! 何してんだよ!!」  啄み合う内に、段々口づけが深くなり、明らかに舌を絡ませ合っているのがわかり、瑠維がブチ切れた。 「はいはい。 ベロちゅーは程々になさってくださいねぇ」 「痛てててっ!!」  弓削に耳を引っ張られた龍嗣が、ちゅぽんと音を立てて唇を離す。  絡ませ合っていた舌が名残惜しげに離れて、璃音が頬を膨らませた。 「もー、いいとこだったのに…。  弓削さんの意地悪…」 「はいはい。  続きはまた後になさって下さいね?」  マジギレしている瑠維と小鳥遊をサックリ無視をして、弓削は龍嗣を引きずって行く。  勿論、璃音を抱っこしたままだ。 「「コラ!! 璃音は留守番なんだろ!?」」  さりげなく璃音を連れて行こうとする龍嗣に、小鳥遊と瑠維がすかさず突っ込みを入れた。

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