311 / 454
・
まりあと総一が帰った後、弓削は足りない書類を受け取る為に、氷室重工本社と水上マテリアル本社へ行く事になった。
パソコンで送信しようとしたのだが、一部社外秘の物もあったので、万が一の事も考えて受け取りに行くことにしたのだ。
龍嗣も急な折衝が入ってしまい、氷室重工に顔を出す事になり…。
璃音と瑠維、小鳥遊と優の四人が留守番をする事となった。
「…では、璃音様。
優を置いて行きますから、瑠維様と玲の子守をよろしくお願いいたしますね?」
「「えっ!? なんで俺が子守りされる側!?」」
二人が突っ込む。
「うん。 二人がいい子にしてるように見張ってるね?」
「「いい子って何だよ!!」」
ニコニコと請け合った璃音に、再び二人が突っ込んだ。
「この中で、優以外に一番宛てになるのが璃音様なんですけど、何か?」
「「ふざっけんじゃねー!!」」
「なら、ちゃんとお留守番してるんですよ?
ポチ一号とポチ二号」
「「なんで犬っ!? つか、人間扱いも無しかよっ!!」」
「璃音、私も早めに帰って来れるように頑張るから、少しの間だけ我慢していてくれるか?」
「うん。
マムの宇宙塵回収バージョンのプログラム修正して待ってるからね?
行ってらっしゃい」
「行ってきます」
チュ…。
軽く龍嗣が啄むと、璃音も啄み返す。
チュ…。
爪先立ちをしていた璃音を抱き上げ、龍嗣が更に啄むと璃音も少し深く啄んだ。
「んー…?」
「ん……っ」
「こら!! 何してんだよ!!」
啄み合う内に、段々口づけが深くなり、明らかに舌を絡ませ合っているのがわかり、瑠維がブチ切れた。
「はいはい。 ベロちゅーは程々になさってくださいねぇ」
「痛てててっ!!」
弓削に耳を引っ張られた龍嗣が、ちゅぽんと音を立てて唇を離す。
絡ませ合っていた舌が名残惜しげに離れて、璃音が頬を膨らませた。
「もー、いいとこだったのに…。
弓削さんの意地悪…」
「はいはい。
続きはまた後になさって下さいね?」
マジギレしている瑠維と小鳥遊をサックリ無視をして、弓削は龍嗣を引きずって行く。
勿論、璃音を抱っこしたままだ。
「「コラ!! 璃音は留守番なんだろ!?」」
さりげなく璃音を連れて行こうとする龍嗣に、小鳥遊と瑠維がすかさず突っ込みを入れた。
ともだちにシェアしよう!