316 / 454
引き裂かれた想い
嫌…!!
嘘…!?
なんで…!?
確か自分はリビングでふて腐れていた筈だった。
なのに、今いるのは瑠維の部屋。
両手はベッドヘッド側の脚に繋がるロープで固定され、両足は開かれて瑠維に押さえこまれている。
「なんで?
なんで…、僕、瑠維の部屋にいるの…?」
「エロ魔神もカチコチ頭の弓削もいないなんて、こんな千載一遇のチャンスを逃がす方がどうかしてる。
そうだろ?」
チュ………。
愛しげに璃音のこめかみに口づける瑠維。
「や、やだよ…、僕の番いは龍嗣だもん…っ!!」
「違うだろ…?
生まれる前から、兄ちゃんのこと、甘い香りで誘ってたじゃないか」
「や………、イヤ…っ。
助けて、誰か助けて…っ!!
優さんっ!!玲ぃ―っ!!」
舌が縺れて、うまく言葉にならないけれど、璃音は必死で叫ぶ。
「アイツらなら来ないぜ?
濃いめの紅茶に、少ぅし多めに睡眠薬仕込んでおいたからさぁ…。
だぁれも俺達の綺麗な行為の邪魔なんか出来ないんだよ、璃音」
クク…。
咽を鳴らして舌なめずりをする。
「なぁ璃音?
璃音は純真で無垢で、汚いことなぁ~んにも知らないイイ子だった筈だよなぁ?
なのにさ、コレ、何だよ?」
瑠維は、首筋や胸、腕、腹、脚へと指を這わせる。
「兄ちゃんビックリしちゃったぞ?
全身にこんなキスマーク散らしちゃってさ…。
ダメだろ…?
俺だけの花嫁なのに、何で他のオスの印付けちゃってんだよ?
そんなイケナイ子は俺の璃音と違うからさ…、兄ちゃん悪い子な璃音の事、綺麗にしてやんなきゃないけないよな?
そうだろ…?
体中に散った汚い印をさ、一つ一つ消毒したら、璃音の可愛い蕾の外も中も、念入りに綺麗にしてやるからさ…。
兄ちゃんが、清らかなまんまの璃音に戻してやるよ。 な?」
「嫌…、嫌だよ、やめて…やめてよ瑠維…っ!!
僕の番い…は…、伴侶は龍嗣だけ…、うあ…っ!!」
ビシィッ!!!!
力いっぱい頬を張られた。
「お前の伴侶は俺だろ…?
ほら、素直にしてないから、兄ちゃん叩いちゃったよ?
なあ、可愛くて幼い璃音に戻ってくれんなら、兄ちゃん璃音のこと誰よりも一番大事にするんだからさ…。な?」
歯が当たって血が出てている場所を、打って変わって優しく撫で、瑠維は口づけてペろりと舐めた。
ともだちにシェアしよう!