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引き裂かれた想い

 嫌…!!  嘘…!?  なんで…!?  確か自分はリビングでふて腐れていた筈だった。  なのに、今いるのは瑠維の部屋。  両手はベッドヘッド側の脚に繋がるロープで固定され、両足は開かれて瑠維に押さえこまれている。 「なんで?  なんで…、僕、瑠維の部屋にいるの…?」 「エロ魔神もカチコチ頭の弓削もいないなんて、こんな千載一遇のチャンスを逃がす方がどうかしてる。  そうだろ?」  チュ………。  愛しげに璃音のこめかみに口づける瑠維。 「や、やだよ…、僕の番いは龍嗣だもん…っ!!」 「違うだろ…?  生まれる前から、兄ちゃんのこと、甘い香りで誘ってたじゃないか」 「や………、イヤ…っ。  助けて、誰か助けて…っ!!  優さんっ!!玲ぃ―っ!!」  舌が縺れて、うまく言葉にならないけれど、璃音は必死で叫ぶ。 「アイツらなら来ないぜ?  濃いめの紅茶に、少ぅし多めに睡眠薬仕込んでおいたからさぁ…。  だぁれも俺達の綺麗な行為の邪魔なんか出来ないんだよ、璃音」  クク…。  咽を鳴らして舌なめずりをする。 「なぁ璃音?  璃音は純真で無垢で、汚いことなぁ~んにも知らないイイ子だった筈だよなぁ?  なのにさ、コレ、何だよ?」  瑠維は、首筋や胸、腕、腹、脚へと指を這わせる。 「兄ちゃんビックリしちゃったぞ?  全身にこんなキスマーク散らしちゃってさ…。    ダメだろ…?  俺だけの花嫁なのに、何で他のオスの印付けちゃってんだよ?  そんなイケナイ子は俺の璃音と違うからさ…、兄ちゃん悪い子な璃音の事、綺麗にしてやんなきゃないけないよな?  そうだろ…?  体中に散った汚い印をさ、一つ一つ消毒したら、璃音の可愛い蕾の外も中も、念入りに綺麗にしてやるからさ…。  兄ちゃんが、清らかなまんまの璃音に戻してやるよ。 な?」 「嫌…、嫌だよ、やめて…やめてよ瑠維…っ!!  僕の番い…は…、伴侶は龍嗣だけ…、うあ…っ!!」  ビシィッ!!!!  力いっぱい頬を張られた。 「お前の伴侶は俺だろ…?  ほら、素直にしてないから、兄ちゃん叩いちゃったよ?  なあ、可愛くて幼い璃音に戻ってくれんなら、兄ちゃん璃音のこと誰よりも一番大事にするんだからさ…。な?」  歯が当たって血が出てている場所を、打って変わって優しく撫で、瑠維は口づけてペろりと舐めた。

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