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「ふふ…。  璃音のここ、可愛くて甘いなぁ…」  ピチャピチャと音を立て、瑠維の舌が花芯をなぞっていく。  感じやすい筈の裏側や、弱い筈のくびれ、桜色の鈴口まで、瑠維は執拗に舌を這わせ吸う。 「やめて…、いやだ、やだよ…」  触れて欲しいのは、瑠維じゃない。  はらはら。  はらはら。  璃音の目から、大粒の涙が次々こぼれているのに、瑠維はやめようとしない。 「璃音はまだ小さいから、こういう事がなんなのか知らないもんな?  だからさ、あんなエロ魔神に好きなようにされちゃうなんて、そんなの兄ちゃん、我慢出来ないからさ…。  璃音が綺麗で純真なうちに、兄ちゃんの可愛い花嫁にしてやろうな?」  ゾクリ…。  背筋に冷たい物が走り抜ける。  とうに龍嗣を知った体を、瑠維は花嫁にすると言い切る。  真剣に惹かれて求愛してきた者達を全て退け、璃音以外を決して愛さない瑠維。  璃音と自分を引き裂こうとする者がいれば、絶対許さなかった瑠維。  間に割り込もうものなら、誰であっても容赦をしなかった瑠維。  璃音に見えない所で冷酷な一面があったのを知ったのは、両親が亡くなる前後の事だった。  璃音には狂気とも言える愛情を向けながら、他人には…、いや、身内であっても冷酷になれるのが瑠維なのだ。  親類だけではなく、本当に近い者にまで………。  だからこそ、璃音は瑠維を赦す訳にはいかなかった。  自分を求めるあまり、壊れてしまったであろう瑠維を。  コクリと固唾を呑み、決めかねていた覚悟を決める。 『言わなきゃ、ダメだ…っ。  それを言わなきゃいけないのは、瑠維に執着されてる僕だけだもの…。  怖い。  怖いけど、言わなきゃ……!!  もしかしたら、僕が正気でいられる最後の時間かも知れないもの…っ!!』  例え、それが最悪の局面になったとしても。  逆上した瑠維に、殺されるような事になったとしても。  震える唇を一度キュッと引き結び、必死で言葉を紡いだ。 「じゃあ…、なんで?」  息を吸い、下腹に力を入れる。 「ん? どうした、璃音?」  うっとりと見つめる瑠維の瞳は、何処か別のものをみているよう。 「なんで瑠維は…。  なんで瑠維は父さんと母さんを殺そうと思ったの…?  なんで薬を盛ったの?  ね…………、なんで?」 「………っ」  一瞬で瑠維の表情がガラリと変わった。  邪悪な顔へと…。

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