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「なぁ、璃音?
お前の愛情は俺だけのもんだろ?
なのに、後からしゃしゃり出てきてタダ食いするなんて、俺には我慢がならないんだよ。
だから、父さんや母さんと一緒に消えて貰うしかならなかった…それだけの事だろ?」
まるでそれが当たり前か、正しいような口ぶりだ。
「………っ」
「父さんと母さんだって悪いんだぞ?
俺達があんまり仲がいいからって、璃音をマサチューセッツにやるなんて言い出したんだから。
何年も璃音をアメリカに行かせて、その間に俺を結婚させる算段してたなんて、許せるワケないだろ…?」
クスクス笑い、璃音の頬に口づける。
「雪だってそうだ。
璃音に似てるからって、身代わりで俺が我慢も満足も出来る訳ねえし。
だから、あいつが家族もろとも行方不明になった時は、本当に嬉しかったよ。
しかも、助けてくれた男とくっついてくれたから、邪魔者として消さずに済んで楽だった…」
「………っ」
当然だとでも言うかのような口ぶりに、璃音は絶句する。
「璃音が生まれる前から、好きで好きで堪らなかったんだぞ?誰にも渡さないし、璃音以外と番いになる気なんか無い。
璃音の愛情は、俺の…俺だけの物なんだ。
誰にも邪魔なんかさせない。
お前の愛情は、ひと欠片も分けてなんかやらない」
頬やこめかみに口づける瑠維。
「瑠維を諌める僕の言葉は無駄なの?
もう…瑠維には僕の言葉も聞こえない…?」
「馬ッ鹿だなぁ………。
璃音以外の奴の言葉が、どれだけ心を打ったって、越えちゃいけない壁を幾つも踏み越えてんだから、今更引き返すなんて無理なんだよ。
それに、可愛い璃音の言葉を兄ちゃんが聞き漏らす訳ないだろぉ?
何か入れ知恵されてるみたいだから、今のお前は素直じゃなくて全然可愛くない。
言葉も耳障りで仕方ない。
だけどさぁ………。
兄ちゃんのミルク、たぁっぷり注いでやれば、きっと元の素直な璃音になるよな?
そしたら、兄ちゃん、璃音の言うこと、全部聞いてやれるよ?」
ぞっとするような笑みで璃音の額に唇を落とし、龍嗣がするように額と額を合わせる。
そして瑠維は、璃音の両膝の裏に手を入れて、グイっと持ち上げた。桜色の花芯と蜜嚢、後蕾が露わになり、瑠維は硬く張り詰めた楔の先を小さな蕾に押し当てる。
「………やめて…っ!!」
「やめない」
碌に指で解してもいない後蕾へ、瑠維は己の昂ぶりを減り込ませた。
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