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「なぁ、璃音。  最初から素直にしてれば、兄ちゃんだって優しくするんだからな?  ほら、もう少しで注いでやれるよ…」  深く深く璃音の中を貫き、胸の尖りを指で押し潰す瑠維。  狂おしいまでに求めた弟の中を掻き回し、恍惚とした表情で見つめてくる。 「璃音。  お前の全部は俺だけのもの。  俺の全部はお前だけのもの。  俺たちは運命の…永遠の番いになるべくして生まれてきたんだ。  誰にもやらない。  体の隅々…髪の毛一本にいたるまで。  心も、魂も、全部お互いのものなんだ。  だから、二人で溶け合おうな?」 「………違う…。  違うよ瑠維…。  僕の伴侶は瑠維じゃない…」 「違わない。  璃音は俺の…俺だけの花嫁なんだ。  じゃなきゃ、こんなにトロトロと蕩ける筈ないだろ。  中が俺に絡み付いて離さないんだぞ?  きゅうきゅう締め付けて、俺のこと包みこんでるじゃないか…」 「や…っ、いや…っ」  璃音の中で瑠維が再び硬く膨れ上がっている。  また、白濁を注がれてしまう…。  そう思うだけで体中が竦み上がり、ガクガクと震える華奢な体の上で、瑠維はブルリと身を震わせた。 「あ…、ふ……ッ!!」  えもいわれぬ酩酊感に酔い、瑠維は極上の快楽が剣の中を駆け上がる感覚に打ちふるえる。 「……いや……、やめてよぅ…」 「ダメだ。  兄ちゃんのたっぷり注いでやんなきゃ、可愛い璃音は戻って来ないだろ?  ………ん、……んん……っ」  再び痙攣した瑠維が、璃音の中にビュルビュルと白濁を吐き出す。  ビシ………ッ!!  璃音の意識が壊れ始めた。  その時、不意にドアが開き…。 「……っ、璃…音さま…っ!?」  聞き慣れた怜悧な声が耳を打った。 「や、嫌…、見な…いで…」  ドアを開けたのは、弓削。  その後ろには、蒼白になった龍嗣。 「見ないで、龍嗣…」  血の気が引いた龍嗣と目が合い、頭の中で割れ鐘のような音がする。 「見ちゃ、や………っ。  ………っふ、…うああ――――………っ!!」  ビシィッ!!!!  璃音の中で、何かが割れる音がした。

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