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衣服を乱した瑠維に組み敷かれていた璃音は、血の気が引いて蒼白な顔をしていた。
「いや…、見ないで…龍…」
「璃音さま…っ!!」
明らかに璃音を貫いているのだと解り、龍嗣自身も血の気が引いたのだが。
ズカズカと室内に踏み込み、問答無用で璃音から瑠維を引っぺがす。
ずるり。
力任せに腕を振ると、ベッドの下に瑠維が転がり落ち、背中をしたたかに打った。
出血して腫れている璃音の後蕾から瑠維のモノが抜けて、白濁がトロリと流れ出す。
「嫌…、来ないで…っ!!」
痛々しい璃音にジャケットをかけてやり、龍嗣は手首を縛(いまし)めていたロープを外す。
「璃音、済まない………っ。
私が遅くなったばかりに…!!」
華奢な体を腕の中に包みジャケットをかけ直してやると、龍嗣は瑠維の部屋を出た。
「旦那様…」
「弓削…今は璃音を優先させてくれ。
そっちの始末は任せる」
明らかに怒りで煮え滾っているであろう瞳に、弓削は頷くだけだ。
「畏まりました。
これの始末は、私と玲にお任せを…」
龍嗣はカタカタ震える体を抱きしめ、いつも一緒に入るバスルームへと向かう。
温かいお湯をバスタブに落としながら、勢いを少し緩めたシャワーも出した。
「ちょっとだけ待っているんだよ………」
優しく囁き、龍嗣は急いで服を脱ぐ。
シャワーの湯がかかってしまったが、構わず脱ぎ去り纏めて洗濯カゴへ放った。
「………だめ……」
「ん?」
「ぼく…に………触っちゃ…だめ…。
龍嗣が…、龍嗣が汚れちゃう…」
未だガタガタ震えている璃音をそうっと腕の中へ抱き込み、龍嗣は傷付いた手首を手でなぞる。
「………い…っ」
「こんなになるまで必死で抗ったんだな…?」
ふるふると首を横に振り、璃音は涙を零し続ける。
「なんにも出来なかったよ…僕…。
いっしょ…けんめ…したけど、全然…外れなくて…っ、龍嗣だけ…っ、龍嗣だけの…っ」
龍嗣だけの場所を散らされてしまったのだと…守り切れなかったのだと、璃音が哭いているのを龍嗣は気づいた。
「ごめ…、ごめ…なさ………っ」
「いい。 璃音が悪い訳じゃない。
必死で抗ったんだろう?
口の端も、両方切れてしまって…。
君を殴った上に乱暴もするなんて…、なんて事を…っ」
シャワーに打たれながら、龍嗣は璃音を宥めるように抱きしめ続けた。
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