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トロリとした闇から意識が持ち上がる感じがした。
「……んっ」
重い瞼を開けると、何となく見覚えのある天井が目に入った。
「………?」
不自然な寝相で寝ていたから、体勢を変えようと腕を引く。
なのに、腕が自由にならない。
不思議に思って視線を向けると、両手首がベッドへッドに固定されていた。
「え…?」
しかも、血まみれのロープで…。
何で?
何で手を縛られてるのだろう?と、瑠維は半ばパニックになった。
「おや…、気が付いたようですね」
怜悧な声が耳を打つ。
「え………?」
視線を移すと、壁に凭れて立つ弓削がいた。
その側には、椅子に座った小鳥遊も…。
「ゆっくり寝ただろうから、随分体も休まっただろう?
さあ、手癖の悪い泥棒猫には、たっぷりとお仕置きをしてやらないとな…」
くつくつと笑い、ネクタイを緩める。
「なっ、何すんだよ…!?」
「何をだと?
貴様、あの子供にした仕打ちを忘れたとは言わせんぞ…?
身勝手な振る舞いの挙げ句、強姦をしたんだ…。
無理矢理捩じ込んで中出し…、あれを心身ともに傷付けておいてただで済むとは思うなよ…?」
「………っ!!」
途端に、自分が璃音にした振る舞いを思い出す瑠維。
極上の肌と花筒を味わい、思うさま散らしたことを…。
「ああいうのはな、愛情からする行為とは言わん。
ただの性欲処理だ。
貴様は、最愛の弟を抱き人形代わりにしただけに過ぎない」
「ぐあ…っ!!」
ギリギリと、弓削の足が瑠維の股間を踏み付けた。
「これを捩じ込んで、薄汚い精まで注ぎ込んだんだろう?
きっちりと躾し直してやる。
覚悟するんだな」
ギ…ッ!!
力いっぱい踏み付けられ、瑠維は体を捩って逃げようとするのだが、足首もベッドの脚に結び付けられてかなわない。
「痛ぇ…っ、痛ぇよおッ!!」
尚も踏み付ける弓削の顔は、怜悧と言うより、夜叉の顔のようだ。
『マジで潰す気かよ…っ!?』
瑠維は、壮絶な痛みと恐怖で背筋が凍る。
「いっそ潰してやるか?
それとも、お仕置きと称して去勢でもするか? ん?」
グググッと、更に力が篭められた。
「うあ…っ、ああ………っ!!」
想像を絶する痛みに、瑠維は涙を零しながら耐えるしかなかった。
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