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「な…、なんで…」
「なんで知っているのか、そう言いたいか。
決まっているだろう?
本家のジジイを締め上げて聞き出した。
何せ、二人の遺体に対面したのは、そのジジイと璃音だけだからな」
多分、まだ何かを隠しているだろう…弓削はそう思っている。
両親の死について璃音は異常なまでに寡黙でいたし、遺体の事も詳細を明かさなかった。
「両親がいなくなった事で、お前が大人しくなった。
だから、時間をかければ説得できると思ったんだろうな。
あれの身内に甘い所は、本当に晶に似ている。
双子ごと両親を殺した事を悔いて貰いたい、自分へ強く執着するお前を重い枷から解き放ってやりたい…。
一度や二度の説得では無理だろうし、貴様に嬲られた後、正気を保っていられるかどうか自信が無かったから、必死で訴えた筈だ」
「………」
今は、龍嗣が必死で宥めているだろうが、想いが深かった分だけ、精神的なダメージも深かった筈だ。
普通の人間でも、PTSDで苦しむ者が多い事なのに…。
各務の家系の子供で、伴侶と引き剥がされたり、体を無理矢理奪われた者は、ほぼ全員が精神崩壊を起こして死んでいる。
食べる事も忘れ、眠る事もできず、誰も傍に寄せつけないまま、衰弱の一途を辿る。
または、自分を追い詰める余り、自ら死を選ぶ者も多かった。
「強姦された各務の子供の末路を知っていながら、璃音を嬲っただろう?」
「………違う」
「何が違う?
禁断症状を起こす程、伴侶を愛し抜いていた璃音を強姦しておいて、違う訳が無いだろうが」
「璃音は、初めから俺の伴侶だった。
生まれる前から好きだったし、一番最初に噛んだのも俺だったんだから…。
だから、俺に蕩かされる事はあっても、おかしくなるなんて有り得ない」
「その勝手な思い込みが、璃音だけじゃなく、多くの人間の人生を狂わせてると、何故気づかない?
仲の良い兄弟という立場で満足していれば、あれは死ぬまでお前を頼りにしただろうに。
望んではいけない部分を渇望して、踏み越えてはいけないボーダーを越えた…。
それを悔やむどころか、正当化するなら、俺達は俺達で、お前に制裁をするしかないだろうな」
弓削の目配せに、小鳥遊が頷く。
一度は上体を起こしていた大柄な体が、再び瑠維に覆い被さった。
「お前ん中に、とびきり濃いのをたっぷりとブチまけてやるよ。
俺と忍の二人で、壊れるまでな…」
「いやだ…っ、やめろおッ!!」
小鳥遊が瑠維のジーンズのベルトを引き抜き、フロント部分に指を差し入れた。
「構わん、やれ」
ザワリと粟立った肌に口づけられて、瑠維は弓削に向かって懇願する。
「いやだぁ…っ、いや…、やめ…、いやだぁ……………ッ!!」
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