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ピシ…ッ!!
「………っは」
頬を軽く叩かれ、混濁していた意識が引き戻された。
息苦しく、呼吸しづらい。
体の芯は重い痛みに支配されたままだ。
「う…っく…」
ベッドに固定されていた手は、今は後ろに回されてロープで手首が固定されている。
意識を飛ばしていた間に、瑠維は俯せにされて、後ろから貫かれていた。
グチュッ!!
最奥までが小鳥遊の楔でギチギチと軋み、中の襞が絡み付いている。
「………っふ、お前の中…良すぎ……。
トロトロに蕩けて熱くて…、キュウキュウと絡み付いてきて…最高にイイ…ッ!!」
ゆるゆると腰を引き、中のポイントを擦りながら穿つ。
後蕾から溢れて伝うのは、瑠維の愛液と小鳥遊の白蜜で…。
太い楔の抽挿を助けていた。
グイ…。
髪の毛を鷲づかみにされ顔を上に向けると、瑠維の中心を嬲っていた筈の弓削の姿がある。
「音をあげるのは、早いんじゃないのか?」
冷たい光を宿す瞳はより一層冷ややかさを増して、瑠維は震え上がった。
「さっき、弟から連絡があった。
璃音は、"自我が崩壊したかもしれない"…と、な…」
ザワリ。
一気に血の気が引いていく。
「………満足か?」
「え………?」
「嫉妬に狂って凌辱した璃音が、精神崩壊を起こした。
もうあれは、伴侶との繋がりを喪ったようなもの…。
息をするだけの人形に成り果てて、いずれ死を迎えるだけだ。
事実上、あれは誰のものにもならない。
それこそ、貴様の思い通りになった訳だ。
あれの体だけではなく、魂まで引き裂いて満足したか?」
「………」
「満足したかと聞いているんだが…」
混濁した意識の中で見た、泣き叫ぶ璃音の姿…。
あれは、傷ついた璃音の自我そのものだったのだろうか。
龍嗣に抱きしめられた瞬間、悲痛な声を上げて、砕け散った璃音。
はらはらと、小さなカケラになって大気に溶けていってしまった。
そこまでの状態に追い込んだのは、間違いなく自分だ。
「完全に崩壊した精神を繕う事も、不可能に近い。
一族の中で、サイコダイブ出来る者を選別してるらしいが、呼び戻せはしないだろう。
最も優秀だったダイバーは、既にこの世に亡いからな…」
忌ま忌ましげに弓削が呟いた。
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