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 璃音の自我捕獲と瑠維攻略は、荊櫻と弓削の間で交わされる綿密な計画の下で進められる事になった。  弓削と小鳥遊への瑠維の傾き具合を見極めつつ、璃音の自我を拾う。  璃音が回復しきったとしても、瑠維の心が離れていなければ意味が無いからだ。 「瑠維の執着を切った後じゃなければ、璃音の危険は減らない。  だから、進展具合に焦れ焦れするかも知れんが、堪えてくれないか?」  璃音にダイブした後、荊櫻と弓削が相談した結果を龍嗣に提案した。 「私は…、璃音が戻って来てくれればそれでいい。  立て続けに璃音に潜るのは、荊櫻にも璃音にも負担な筈だろう?  なら、休み休み縫い合わせて行った方がいいんじゃないか?  ペースについては任せる。  私が出来る事があるなら、協力も惜しまないから…」 「随分物分かりが良くなったな。  晶の事は、完全に割り切れたのか?」 「………割り切れたというよりは、璃音に気持ちを全部持って行かれた。  ずっと燻ってた部分も、全部駆逐されたよ…」 「……そうか。  もう、あちこちつまみ食いもしてないんだな?」  飽きっぽさと悪食っぷりを知られている相手だけに、龍嗣は非常に居心地が悪い。 「してない。  する余裕も無いし、する気も無い。  正直、もう璃音以外に欲情しなくなったからな…」 「………ほう…?」 「可笑しいだろう?  エロ魔神と呼ばれた私が、璃音以外に勃たなくなったなんて聞いても、きっと信じられないだろ?晶」  クスクス笑い、ドアの方に視線を向けると、双子を抱っこした晶が立っていた。  璃音の横に双子を寝かせ、晶は向き直った。 「事故の後にね、何回か龍嗣の夢に渡った事があったんだ。  渡りは距離とか関係ないから。  で、その度に龍嗣の中が璃音で満たされる割合が増えていたから、何と無くだけど…そうなんじゃないかって感じてた。  龍嗣の中の虚無も埋まってって…、二人がきゅんきゅんしてるのが目に見えるようでさ………、微笑ましいと言うか、嬉しかった。  学園祭の次の日の朝、龍嗣に沢山がっついて貰って凄く幸せだって、璃音がメールをくれてね…。  "まだ足りない"って言われたのが、凄く凄く嬉しいって言ってた。  まさか、その後に瑠維が暴走するとは思わなかったけど…」  ベッドに沈むように眠る璃音を見つめ、晶は複雑な表情を浮かべた。

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