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「ん…、んん…っ!!」  弓削と小鳥遊が落としてくる口づけは、瑠維の魂まで搦め捕るように深く甘かった。  チュ、チュ…ッ。  誘われるように舌を絡めていると、顔の向きを変えられて弓削に唇を奪われる。  あまりに濃密に契られて息が上がり、甘く蕩ける息とともにあえかな声が鼻に抜けた。  クチュ…。  クチュクチュ…。  交互に降り注ぐ口づけは、もう瑠維にとって不快ではなくなってしまった。  肌に触れるだけでも恐ろしいと思っていたのに、今はもっともっと触れて欲しいと思う。  璃音の唇に触れた時よりも、甘美で痺れるような感覚がして。  …凄く、いい。 「なかなか可愛く反応するじゃないか…」 「……ち、違…っ」  焦って否定するが、見透かしたように舌の先を軽く唇で噛まれて、全身がビクビクと震えてしまった。 「お前、ホントに軽く痛くすると悦ぶよな」 「特に胸は、な…」  悟られないようにしていても弱い部分を二人に次々突かれる。  弓削に責められるのは、怖い。  小鳥遊に責められると、痛い。  なのに、いい…。  何故なのかは解らない。  弓削だけに抱かれる夜は、心の中の総てを暴かれる怖さに啼いて。  小鳥遊だけに抱かれる夜は、体中の痛みに悦ぶ場所を暴き出されて啼く。  散々突き上げられる様を傍観されるのは恥ずかしいから、どちらか一人に抱かれるのはホッとする。  けれど。  何かが足りない。  心だけがグシャグシャにされるだけじゃ足りない。  体だけをトロトロにされるだけのも物足りない。  こうやって二人に責め立てられれば、心も体も甘い砂糖菓子みたいになってトロトロになれる。 「……っは、……んく…ぅ…」  唇と舌だけじゃなく、早く体も蹂躙されたい。  口と後蕾に、たっぷり注がれて汚されたい。  いま、すぐ。  手錠で繋がれているせいで自分で服を脱ぐことも出来ないから、口腔だけを嬲られているのがじれったい。  龍嗣とやらしいキスをしていた璃音のように、弓削と小鳥遊の二人から、もっと深く唇を契ってもらいたい。  でも。  瑠維は今、璃音を嬲った咎でお仕置きされているのだ。 『もっと気持ち良くして』なんて、頼める筋合いじゃない。  何より、焦らすように口づけられている、この焦燥が。  堪らなく悦かったのだ…。

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