378 / 454

 ずくんっ。  服地の上から胸の蕾がキツく抓られた。 「ひあ…っ、ああ…ッ!!」  弓削と小鳥遊が左右の蕾をそれぞれキツく摘み上げる。  キリキリ…  キリキリ…  強く抓り、指を離す。  グリグリと潰すように抓り、血流が滞って痺れる直前に再び指を離す。  ジワジワと血流が戻り、体のあちこちに淫らな火が点る。  ギリ…ッ!! 「……っふ、あ……っ、ひあぁ…っ、あああああッ!!」  痛い…ッ!!  …キリキリと抓られて、ダイレクトに脳と中心に向かって電流が突き抜ける。  ふわ…  蕾がちぎれそうな位の痛さを感じた瞬間、二人の指が離れた。  じわり… 「……っふ」  血管の中を、せき止められていた血液が通っていき、胸がピリリと痺れる。  それが堪らなく悦くて、瑠維の花芯が少しずつ硬くなってきた。 「ん……、んん……っ!!」  痛さではなく、精神と体を蝕んでいく疼きに瑠維の目から涙が零れる。  痛い。  でも、別の痛みが欲しくて瑠維は小鳥遊を見上げた。 「ん? どうしたよ?」  瑠維が何を欲しくて見上げているのか知っているのに、小鳥遊は敢えてはぐらかしてくる。 「………っ」  チャリ…。  小鳥遊が手の下に置いている、細い銀のチェーンで繋がれた物に目を向けると、クスクス笑いながら覗き込む。 「これ、欲しいのか?」 「………んっ」 「どうして欲しいか言ってみな。  素直に言うなら、考えてもいいかもな…。  ま、矜持の高いお前にゃ無理だろうけど」  そう。  璃音だけを求めていた瑠維なら絶対言えない。  怖いから。  この二人は璃音に求愛してるから、きっと本当に欲しい物を瑠維にはくれない。 「言ってみろ。  お前が欲しいものを。  一つ一つ言えばいい」  二人の言葉に、ふるふると頭を横に振り視線を外す。 「言ったって、欲しいものなんか俺にはくれないだろ?」 「言わなきゃ解らないじゃないか」 「嘘だ」 「嘘じゃない」 「無理だろ?  あんたらは璃音に求愛した人間達だから、最終的にはあいつのトコに戻る。俺を璃音から引っ剥がした後は、璃音のトコに戻っちまう癖に。  嘘…つくなよ」  じわり。  自然に零れた本音とともに、潤んだ瞳から涙が落ちた。

ともだちにシェアしよう!