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「勝手に決めつけてんじゃねえ。  俺達は璃音には戻らねえんだからさ」 「嘘だ」 「嘘じゃねえ。  忍は璃音を振ってるし、俺も戻るつもりは無え」  嘘だ。  嘘だ。  璃音への執着を根こそぎ削り落としたら、二人は璃音の元へ戻っていく。  誰ひとり、俺の傍には残らないのだと瑠維は諦めていた。 「信じてねえだろ。  ホントにお前、疑い深い奴だな…」 「し、仕方ねえだろっ!?  今まで璃音よりも俺に執着した奴なんかいなかったし、こうやって体繋いだのもアンタ達が初めてなんだから、解るわきゃねえっつの!!」 「………璃音よりお前に執着した人間は、何人もいた。  お前に求愛をした人間がいた筈だろう?  あれらは、璃音よりもお前が欲しくて欲しくて仕方なかったのに、お前が全部突っぱねたんだろうが」  明らかに拗ねている瑠維の言葉に呆れたように、弓削はため息をついた。 「璃音とは違う媚香と、意地っ張りな顔の下にある弱さを嗅ぎ取って、お前をずっぷり啼かせてやりたいと思った者もいたんだ。  璃音に執着するあまり、見えなかっただけで…な」 「…嘘だ。  俺なんかを一番に想う奴なんか、いるはずない。  璃音みたいに甘えるのが上手い奴だったら一番になれるだろうけど、俺みたいに何も持ってねえ人間が、生涯の伴侶を得られる筈がない。  ありえないんだっ!!」  ほた。  ほた…。  涙が落ちる。 「馬鹿だな…。  そうやって周りが見えないから、直情馬鹿だと言うんだ」 「そ。  自分を卑下すんじゃねえ。  少なくとも俺と忍は、お前から離れたりしねえ」  ほたほた流れる涙を二人はそっと唇で吸い取っていく。  優しく口づけ、宥めるようにしながらひとつひとつ吸い取る。 「嘘だ。  俺の事、からかってるだけなんだろ?  そうやって上手く騙して璃音から引っぱがしたら、そのまんま…んぅ………っ!!」  吃逆混じりの言葉が途切れた。  弓削が瑠維の唇を塞いだからだ。 「んん…、んんん…ッ!?」  存分に舌を絡ませて唇を契った後、弓削は唇を離し。  今度は小鳥遊が目の前が眩むような口づけを落とす。 「あれには戻らねえよ」 「お前だけをずっぷり啼かすぞ。  文字通り、一生かけてお前を落としてやる」  はく…っ。  弓削と小鳥遊が、瑠維の首筋を同時に噛んだ。

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