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最も愛しいと焦がれ続けてきた璃音が受け入れてくれなかった想い。
永遠に喪って心の中に出来てしまった虚無を、二人は埋めると言ってくれた。
「今すぐじゃなくても…、俺のこと、ずっと…愛してくれんの?」
「求愛の甘噛みしてんのに、愚問だろ?」
小鳥遊がニヤリと笑い、唇を契った。
「あれを強姦した時よりも、もっと蕩けさせてやる」
小鳥遊の髪を掴んで寄せた後、弓削も瑠維の唇を塞いだ。
ほろ。
ほろほろほろ…。
二人から、甘くて蕩けるような口づけを落とされ、瑠維は涙を零す。
「愛して…」
二人が頷く。
「俺のこと…頭の中がおかしくなるくらい、愛して。
他の誰にも目を向けないで俺だけを見てっ。
あんたたちの、ありったけの愛情と欲望を俺に注いで、俺ん中にある風穴を埋めて。
ギュウギュウに抱いて捩込んで、いっぱい啼かして。
時間なんか関係なく、お互いが満足するまで俺にやらしいこといっぱいして…。
そうしてくれんなら、いい…」
「して欲しい事を、全部言えよ。
蕩けさせて啼かせてやるから」
「欲しいなら、いつでも言え。
お前の体の隅々まで、全部に愛情を注ぐ」
璃音からは貰えないけれど、この二人はくれると言った。
生涯をかけた愛情も、体も、欲も。
瑠維が欲しいだけくれてやると…。
「抱いて…。
今すぐ抱いて。
俺にやらしいこと、いっぱいして…」
「ああ」
「ずっぷりとな…」
二人の顔が近づいてきて、交互に瑠維の唇を塞ぐ。
「あ、んん…っ」
それが、あまりに心地好くて瑠維が舌を差し出すと、二人は競うように舌で突いたり絡めてくれた。
「あん…っ、……っふ、…う」
いい。
凄く、いい。
瑠維の全てを奪ってくれる。
夢中で二人の舌を貪っていると、それぞれの手が瑠維のパジャマのシャツにかかった。
「きて、今すぐ俺を………抱いて」
「「ああ」」
ビシ…ッ!!
シャツの釦が弾け飛び、瑠維の露わになった肌に、二人の唇が落ちる。
「あ…っ、ふ…ぁ………んッ!!」
今までお仕置きされていた間の行為とは、明らかにちがう悦びが駆け抜ける。
愛情の伴った愛撫に、瑠維は目の前が白くなるほどの衝撃を実感する。
璃音が龍嗣だけに体を預けた理由が、少しだけ分かった気がした。
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