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「璃音が自分を殺そうとしてるって、どういう事なんだよ…」
カタカタ震えながら、瑠維が絞り出すような声で聞いた。
「なんで…?
何で…そこまで…!?」
「仕方無ぇだろ?
伴侶にあわす顔が無ぇって思ったら、そういう方向に行っちまったんだ…。
ましてや、突っ込まれてるのを一番想ってるエロ魔神に見られちまっちゃあ…」
「………っ!!」
瑠維の血の気が更に引く。
「突っ込んでるお前を引っぱがし、中に注がれた物まで始末されたのもかなり堪えただろうしな…。
だから、自我を砕いた。
なのに…、今度は自我を縫い合されようとしてる。
裏切ってしまった伴侶の前に引きずりだされる前に、自我の核を壊せば縫い合わせは成立しなくなる。
ついでに、穢れた体も壊してしまえ………、そう覚悟を決めたんだろう…」
そうだ。
二人の愛を得て、記憶の隅に追いやってしまっていた事実。
拘束して、殴って…、無理矢理…体を繋げた。
中に、たっぷりと注いでしまった…。
愛しい相手の目の前で、あられもない姿を見られてしまった璃音が平気な筈がない。
それをしたのは、紛れも無く自分。
璃音が死を選ぶ原因を作ったのは、自分だ…。
「…………おれ…の…せ…い………だ…」
カクカクと、膝が笑う。
体中の血が逆流したみたいになり、頭の中がガンガン鳴っている。
心臓も、早鐘を打ったように、激しい動悸だ。
「俺が…、あんな馬鹿なこと…、酷いことをしたから…っ!!」
どうしよう…。
どうすればいい…!?
パニックに陥った頭は、考えひとつ浮かばない。
床にへたりこんだまま、事態が好転する手段を捻り出せない自分が情けなくて、瑠維は二人を見上げた。
「俺…、俺………っ。
今になって判ったんだ。
忍と玲が伴侶になって、ようやっと判ったんだ…。
今更、何言ったって遅いけど、あんたたちに抱かれる嬉しさとか、悦びとか覚えて、ようやっと…。
伴侶以外の人間に同じ事されたら、きっと俺も…………、俺も璃音と同じ気持ちになる…。
俺…………っ、俺、今になって、やっと………っ、や…っと、気付いたんだ……っ。
馬鹿なこと…したって、酷いことした…って、俺…、俺……っ!!」
ほた。
ほた ほた…。
本心からの涙を、瑠維は零していた…。
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