402 / 454
・
ほろ…。
瑠維の目から、大粒の涙が幾つも落ちていく。
それを、一つ一つ小鳥遊と弓削が唇を当てて吸い取ってくれる。
「……っ、……っふ」
気遣わしげな優しい感触。
唇が触れるだけなのに、与えられる安心感が絶大だ。
龍嗣も、よく璃音の涙を吸い取ってやっていた。
それを思い出し、一層切なくなる。
ほろほろ…。
ほたほた…。
とめどなく流れ落ちる涙を、二人は飽きる事無く吸い取っている。
時折、瑠維を慰めるかのように微かに舌が肌に触れて、体の奥がジンと痺れるのは気のせいなのだろうか…。
チュ…。
「…あ、……ン…っ」
ツクリ。
弓削の舌が触れて、最奥の埋み火がジワリと瑠維を灼く。
「今、お前がしなきゃいけないのは、俺達に抱かれる事だけだ」
「………っ!!」
「執着が剥がれたとは言え、お前の媚香はあまり変わっていないからな…。
そんな状態で璃音の前に行ったら、あれがパニックを起こすだろう?
だから、俺達の肌に充分馴染んでお前の肌の香りが変われば、ちゃんと璃音の所へ連れて行ってやる。
………安心しろ」
カチコチの顔じゃない、優しい表情の弓削。
呆然とする瑠維を抱き上げ、あやすように背中を摩った。
「しっかり食って貰えよ?
あいつの様子を確かめたら、俺も直ぐに戻る。
そしたら、今度は俺がずっぷり可愛がってやるからな?」
「………」
気恥ずかしさで、頬が熱い。
「お前が俺達の肌や蜜に馴染むまで、昼夜の関係なんか無えのさ。
それこそ、孕んじまう位にたっぷりと注いでやんなきゃ、お前、満足しねえだろ?」
「………っ、ば、馬鹿ぁっ!!
………あ、ん……っ」
気色ばむ瑠維の唇を奪い、舌を軽く搦め捕って、小鳥遊は唇を離す。
数秒だけ契っただけなのに、体は既に疼き始めている。
「上と下、両方で忍の蜜を飲めよ?
可愛くトロトロに蕩けてたら、ご褒美に俺のも突っ込んでやるからさ。
頼んだぜ、忍」
「ええ。
文字通り、孕ませる位に注いでおきます。
可愛らしく啼くように、じっくり調教しておきますから、お楽しみに」
クスクス笑い、弓削も請け合う。
程なくして、別邸の庭にヘリが降り立ち、用意を済ませた小鳥遊が、璃音がいる病院へと向かった。
ともだちにシェアしよう!