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「死ぬのはお前の自由だ。  だがな。  砕け散った自我を片っ端から拾ったのは、紛れも無いエロ魔神なんだ。  仕事も何もかも放ったらかしにして、お前にかかりっきりになってたんだぞっ!?  それを気付きもしないで、勝手をするなんてどういうつもりだッ!!  この馬鹿があっ!!」  ごぉんっ!!  再び、荊櫻必殺のゲンコツがお見舞いされた。 「………は、はうぅ………っ」  頭の周りに火花やヒヨコが散っているのだろう。  璃音は頭がグラグラしている。  改めて、龍嗣は荊櫻の恐ろしさを目の当たりにし、決してこの女性だけは怒らせるまいと心に決めた。 「………ご、ごめんなさい…」  すっかりうなだれて、しおしおの璃音。  涙目で、そうっと龍嗣を伺うと、苦笑いする優しい眼差しと目が合った。 「………龍嗣、ごめんなさい…。  僕、瑠維に取られちゃったから、龍嗣に合わす顔がないってしか思えなかったんだ。  だって、龍嗣がいっとう大事だから、龍嗣だけの僕でいたかったんだ…。  ごめんなさい、もう僕…っ」  ボロボロ泣く璃音の頭を、龍嗣はゆっくり撫でる。 「あの時にも言ったろ?  こんな事くらいで揺らぐようなヤワな愛情じゃない。  野良犬に噛まれたようなものなんだ。  君を嫌いになる筈がないだろう?  簡単な気持ちで君に指輪を渡した訳じゃない。  君を永遠に愛していくと思えたからこそなんだからな?」  チュ…。  涙に濡れる頬に口づけると、次々涙が零れ落ち、頬を更に濡らしていった。

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