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『私達がいずれ禁断症状で死んでしまうだろうと心配なさっておいででしたね…。  貴方のお優しい心も、私達は好ましく思っておりました。  なのに、あの日、旦那様から璃音様を引き剥がしてしまった…』 「………」 『あの時、旦那様から引き剥がしさえしなかったら、璃音様は苦しまずに済んだのではないかと、今も悔やんでおります…。  申し訳ございませんでした…』 「弓削さんのせいじゃないよ…。  あれは、色んな偶然が重なった事だもの…」 『いずれ、お見舞いに伺いますので、その時に改めてお詫びを言わせてください。  それと…、旦那様を想いながら、私達の想いを受け止めようとなさった事…。  幼くて不器用な貴方の恋に関われた事、私達は後悔しておりません。  でも、そろそろ旦那様お一人にお気持ちを向ける時期になったのだと思います。  体調が戻られたら、存分に啼かせて貰ってくださいね?』 「…………っ」 『では…』  ニッコリ笑った弓削は、悪戯っぽい表情の後、消えてしまった。  次のデータをクリックしてみる。 『よっ。 起きたか、ねぼすけ』  小鳥遊だった。 『お帰り。  結構無茶しやがって…。  俺達、かなりヤキモキしたんだぜ?  ………なぁ、璃音。  あの日の事、ホントにごめんな?  あんなふうになるなんて、俺………、気をつけてた筈なのに、瑠維を止められなくて…、本当にごめん』 「…気にしなくて、いいのに…。  玲も弓削さんも、気にしすぎ…」  画面の中の小鳥遊は、悲しい顔のままだ。  いつもの強気な顔と、全然違う。 『お前のこと、つまみ食いしようとした事もあったから、俺…、凄く気になってさ…。  もう、あんなふうにしないし、瑠維も悪ささせたりしないからな?  安心してくれよ…、な?』 「…うん」  タブレットの中の映像なのに、ついつい会話しているように返事をしてしまう。 『なぁ、今、幸せか…?』 「うん」 『幸せ…だよな?  一緒に死ぬかも知れない危険も考えないで、必死で助けに来る伴侶だもんな…?』 「幸せだよ…」 『もう、あんなふうに無茶すんなよ…?』 「………ん」『あとで、経過観察しながら行くけどな…。  生きてくれよ?  幸せになってくれよ、な?』  小鳥遊の瞳が、少し揺らいだ。

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