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チュ…
チュ…ッ
甘やかな口づけに、頭の中がどうにかなりそうな気がする。
微かに開いた唇を割り、熱い舌を誘い込む。
どこまでも、熱く…。
底が無いほどに、甘い…。
昨日までの労るようなキスじゃない。
淫らで、深くて、甘いキス…。
「……ん、……んふ…っ」
小さな舌を搦め捕り、龍嗣は舌の裏をなぞる。
「…んぅ……、……っは…ぁ…」
隙間から漏れる甘い吐息が、龍嗣の情欲を煽りたてた。
熱い。
熱い……ッ!!
頭の中が灼けていく…。
「……愛してるよ…、璃音…」
「僕も、愛してる…。
龍嗣…、僕、龍嗣のこと……好き…。
好きで好きで堪らないよ…。
…どうしよう……、さっきから、ドキドキして、どうにか…………なりそ……。
凄いよ…、心臓バクバクしちゃってる。
触ってみて…」
「ん………。
凄いな…、本当にドクドクいってる」
「でしょ…?」
着物の上から触れただけなのに、薄い胸が高鳴っているのがわかる。
蕩ける瞳…、ぷっくりとした唇…、首筋のライン…、袷から覗く胸…、総てが余りにも煽情的で堪らなくなり、龍嗣は噛み付くように深く口づけた。
唇を重ね、舌を絡める度、愛おしさがどんどん増してくる。
抱きしめる腕が熱い。
触れる吐息が熱い。
体の芯が熱くてズクズクに疼く…。
「………抱いて…、龍嗣……っ」
「ああ………。」
唇を重ねながら、ゆっくりベッドに倒れ込む。
体だけじゃなく、魂まで蕩けてしまいそうな口づけを落とし、弓なりに反った背中に左腕を回す。
最後に体を重ねたのはいつだっただろう…。
璃音が眠ってしまう前の………大雪が降った日の翌日…。
あの学園祭の翌日だ…。
約四年も前になる………。
不思議なものだ。
この四年間、狂おしい位に求めていたのに、何故耐え切れていたのだろう。
いま、同じように堪えろと言われたら、きっと自分は狂い死んでしまうかもしれない。
体だけじゃなく、魂まで灼け落ちてしまうのではないだろうか…。それ程までに、愛おしさと情欲が膨れ上がってしまった。
唇を離し、甘やかに告げる。
「生涯かけて、篭絡してやる…。
誰にも渡したりはしない」と…。
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