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 淫らなキスは、少しずつ下へ降りていく。  ピンクに色づく花芯の先を、龍嗣は軽く口に含む。 「ひああ…ああ………ッ!!」  吸い上げた訳でもないのに、華奢な躯がビクビク跳ねた。  括れまでを口に含み、鈴口に舌を捩じ込むと、足をバタバタさせてシーツにシワを刻んでいく。 「は……、ぁあッ」  下肢に渦巻く熱を更に煽りたてるように、一気に根元まで口腔に収め、切なげな啼き声を引き出す。  濃厚な愛撫に、璃音の理性が剥がれ落ちていく…。 「…や……あ…ぅ…っ!!」  背中がたわんで浮き上がり。  腰を捩りたて……。  快楽に翻弄され…。  息が詰まる。  そして………。  灼熱が競り上がる……。 「……………………龍……嗣……ぃ…ッ!!」  口腔内に白蜜が迸り、龍嗣はそのまま飲み込んだ…。  浅い呼吸を繰り返す璃音を宥めるように、滑らかな頬を撫でる。  昨日まで、肌を重ねるだけでパニックを起こしていたのが嘘のようだ。 「大丈夫かい……?」 「…………………………うん…」  恥ずかしそうに微笑み、汗ばむ頬へ手を差し延べる。  誘われるように額と額を合わせ、擦りつけ。 「今夜は…、最後までしてしまってもいいかい……?」 「………うん。  …龍嗣…、僕を食べてね…。  だから…、見てて……、僕が本当に…勇気を出せるか……って…」 「………?」  息を吸い、気持ちを固めて、膝に意識を向ける。  耳鳴りがする。  心臓が逸る。  怖い…。  怖い………ッ!!  とうに過去へ葬った筈の幻痛がする。  胃が競り上がりそうな、ドロドロとした恐怖に支配されそうになる。 「璃音、無理しなくても…」 「ううん…。  大丈夫…、見ていて…。  これは、僕が自分で克服しなきゃいけない、もう一個の事だから…」  ゆっくり、力を入れる。 『怖くない…。  怖くなんかない…。  目の前にいるのは龍嗣…。  愛おしい、龍嗣だけ………!!』  もう一度、深く息を吸い、ゆっくり吐く。  ぐぐぐ……っ。  力を篭める。 「璃音…………」  少しずつ、膝が開いていった…。

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