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第6話
ノートに「大丈夫です」と書いて見せるとみんな複雑な顔をした。
もしかしてスモモくんと榛名のことを知っているのかもしれない。
それなら尚更よかった。
二人の噂話も、僕の噂話も何も聞きたくない。何も知りたくない。
何か言いたげな目線に僕は微笑む。
僕が耳が聞こえない理由がバレてしまっているのかもしれない。
それとも単純に心配してくれているのだろうか。
どちらにしても僕には判断がつかないからみんなの表情は心配から表情を曇らせていることにした。
違うかもしれないと考えても仕方がない。
僕と榛名のことは転入生であるスモモくん以外はきっとみんな知っている。
でも、だからといって後から来て榛名と付き合うスモモくんに悪感情はない。
スモモくんはいい子だし、親衛隊に制裁を受けてしまったのなら榛名が風紀委員長として守るのも当然だ。
そして、スモモくんの良さに気づいた榛名が僕からスモモくんに目移りしてしまうのも仕方がない。
僕は全く行動していなかった。榛名を引き留めたり顔を合わせる努力をしなかった。
付き合っているにもかかわらず恋人として行動することで榛名から嫌われることを恐れていた。
恋人なら恋人として振る舞って何も悪いことなどなかったはずなのに僕はずっと怯えて逃げた。
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