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第14話

 愛がほしい、愛がほしい、溢れるほどの愛がほしい。    でも、その気持ちを僕は否定する。  愛は自然に発生するもの。  降り注ぐもの。    望んで、求めて、ねだって、せびって、無理矢理手に入れるものじゃない。    心のどこかでわかっている。  粘着質な愛を求めるのなら桃李くんの手を取ればいい。  彼はきっと僕が桃李くんをつけ回していたストーカーのように僕を愛してくれと訴えたらその通りにしただろう。  けれど同時に僕を圧搾機にかけるようなことを平気でする。  僕の人間性を、僕の精神を、試すようなことばかりして血だらけで動けなくなった僕を満足げに見下ろすのだ。    桃李くんはきっとうなだれた僕を見て謝るのだろう。  けれど、また繰り返す。  彼はそういう人だから。  成長しないとか反省がないというわけじゃない。  自分の欲求に正直なのだ。  僕を追いつめて自分に縋らせたり自分が独占することにこの上ない満足感を得ている。  そこに僕の気持ちは関係ない。    愛される人間は無自覚な傲慢さを持っている。  僕は自分の自尊心に対して状況が付いていっていない。  みんな僕が思うほど僕を大切にしない。  僕がこの世から消えても誰も気にしない、そう思ってしまえるほどに周りが自分に無関心である気がして怖くなる。    この学園で暮らしてそんなことはないと知った。    桃李くんがいないということを差し引いても周りは僕の一挙一動を注視している。  図書室の麗人だとからかい混じりに言われながら僕は周囲からの評価に満足していた。    痛みだけで歩いていけない。  優しくされたい。居ていいと思いたい。    桃李くんが傍にいない僕が無意味だとか、桃李くんの兄という価値しかないなんて思いたくない。  僕は僕なのだからプライドの高さを隠し弱さを優しさと偽って微笑んで血を吐いた。  

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