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第7話
「……やっぱり隊長は、その子供の事が、好きなんですね、ハイ」
「いやだから、好きとかそう言うのじゃ」
最後まで、言葉を言えなかった。
カンナは、顔を上げたレンの逞しい腕に肩を捕まれ、そのソファに体を押しつけられた。
「れ、レンさん。いきなり何――」
レンはソファの上に押し倒したカンナの身体に覆いかぶさり、その唇を自身の唇と、強引に重ね合わせた。
「んん……っ!?」
口内をまるで犯す様に、レンの舌がカンナの唇を押しとおって、その舌と舌を絡め合わせた。
唾液を貪るかのように動かされるザラザラとした舌の動き。
慌てて舌を逃げそうとしても、離しはしないというように追いかけ、さらに絡め合わされる舌と舌の交わりは、グチュ、グチュ、と隠微な音色を奏でている。
そのままどれほど時間が経過したのか、カンナには理解できなかった。紅葉のように顔が赤くなる感覚がすると、レンは顔を離して深く息を吸い込んだ。その唇には、カンナの唇と唾液で橋が出来ていた。
「れ……レン、さん……?」
「自分が……自分が、ソイツの事を、忘れさせてみせます、ハイ」
手と手を繋ぎ、指と指を重ね合わせて、再びカンナの唇を奪うレン。
激しいキスと共に、彼はカンナの股間へ膝をやり、ゴリゴリと押し付けた。
「固くなってますよ、隊長」
「や、……っ」
「いやらしい人ですね、ハイ」
着崩されたカンナの軍服を、丁寧に脱がしていくレン。フレンチキスの影響で放心状態だったカンナは、ようやく意識をハッと戻し、その手を制した。
「や、止めっ」
「何でですか。隊長はこんなに興奮してるって言うのに」
脱がされた軍服の隙間から、カンナの少しだけ筋肉の付いた胸部を優しく撫でたレンは、彼の胸元にある突起を、軽く摘んだ。
「っ……!」
「ほら。乳首で感じているじゃないですか、ハイ」
「か、感じて、なんか……あ、っ」
「へぇ。右の乳首が弱いのかな、隊長は」
可愛い人だ。レンはそう言いながら今度は触れるだけの優しいキスをする。その行為が幾度も繰り返されると、カンナは頭がぼう、としている事に気が付いた。
(あれ……なんで俺こんなに、気持ちよくなってるんだろう)
意識もはっきりとしなくなる。そんな彼の事を知ってか知らずか、レンの右手による胸元の愛撫は激しくなる。
反対側の左手はスラックスのベルトとチャックを優しく外して下げ、カンナの股間を守るトランクスが見えた。薄い生地は下にある膨張されたそれに押し上げられ、膨れ上がっていた。
「部下に悪戯されて、こんなにして……隊長は本当に、いやらしい」
レンは、一度両手をカンナから放すと、自身の軍服……その上着を脱いだ後、スラックスのベルトを緩め、カンナの手首を掴んだ。
「隊長、触ってください。ハイ」
「さ……わる……?」
「そう。ほら、ここに手を入れて」
手首を捕まれたまま、レンは自身のスラックスの中へ、彼の手を無理矢理押し込んだ。自身の物とカンナの少しだけ温もりある手が触れ合うと、カンナもビクッと体を震わせた。
「熱い……」
「そうでしょう。だからもう苦しくて苦しくて。隊長の手で脱がして欲しいです。ハイ」
「な、何で俺が」
「お願いします、隊長」
ニッコリと笑みを浮かべたレンの表情が、どこか恐ろしく見えた。カンナは、覚束ない手つきで彼のスラックスを脱がし、自身と同じくトランクスをさらけ出させた。
「それもですよ、ハイ」
「いや、でも」
「いいから」
一瞬で、声色を低くしたレンが恐ろしくて、恐る恐るその布をずり下すと……熱を宿したレンの欲とも言えるそれが、天高くそそり立っていた。
「自分で慰めるみたいに、してみて下さい。ハイ」
部下である筈の彼から発せられる命令を、拒否する事が出来ない。
レンの物を軽く握ったカンナは、そのまま指を絡めて上下に手を揺すり、それを刺激した。
「こ……こう、かな」
「ハイ、上手ですよ隊長。じゃあ今度は」
強引にカンナの頭を掴んだレンは、彼の顔と自身の熱を近付け、そしてカンナの頬にそれを触れさせた。
「咥えて下さい。出来ますよね、ハイ」
「そっ……! それは、それだけは、無理っ」
「まだ分かっていないようですね、隊長。これはオシオキなんですよ、ハイ」
「お……おし、おき」
「そう。隊長はセバルタのパイロットなのにミューレのパイロットを好きになった。それを忘れる為の、オシオキなんです。オシオキを拒否しちゃ、ダメですよ。ハイ」
優しく、カンナの頭を撫でたレンは、彼がまぶたから溢す涙を拭い、そしてその頬を擦った。
「でも自分は無理矢理を好みません。だから隊長が自発的に、オシオキを受けてくれる事を望んでいるんです、ハイ」
「おし、おき……これは、オシオキ……」
「そうです。さぁ、素直にオシオキを受けてください。ハイ」
そう、これはオシオキだ。軍隊では一つのミスが命取りとなる。心構え一つをとってもそうだ。ならば素直に自分の非を認め、体罰を受ける事も必要な事だ。
――そう、オシオキならば仕方ないのだ。
その小さな手で、レンのそそり立つ熱自身の付け根を掴み、ぴくぴくと震える先端部を、まずは軽く舐めた。先ほどのフレンチキスによって唾液に塗れた舌が、レンの物を潤すようにして、滑りが良くなったことによって、彼は意を決して、口内にそれを咥え込んだ。
カンナの、喉元まで届かんかと膨張したそれは、口内に入れるとさらに熱を強めるようだった。口で息をする事が出来なくて、鼻で深く息を吸い込み、吐き出したカンナは、口内に物を含んだまま、まずは舌を動かした。
舌が動かされる度に、びくんびくんと震える様子が、手に取るようにわかる。レンは熱を帯びた表情で笑みを浮かべると「いいですよ」と小さく、カンナを褒めた。
「では少し、乱暴します。苦しくなったら言ってください。ハイ」
カンナの頭頂部を両の手で掴んだレンは、そのまま頭を引き、強引に物を押し込んだ。
「んん……っ!!」
カンナの口内で暴れ回るレン自身。彼は一心不乱に腰を振り続け、カンナは喉元にそれが圧し付けられる度、声にならぬうめき声を上げた。
苦しい、苦しいと。声に出そうとしても、それは声にならない。
そんな気持ちを知ってか知らずか、征服欲を強めたように笑みを浮かべたレンは、しばしの快楽を経て、その小さな口から自身の熱を引きずり出した。
「御免なさい隊長。オシオキが過ぎましたね」
「ごほっ……ごほ、ごほっ」
返事も返せない。カンナはまぶたから溢れる大粒の涙を拭いながら咳き込み、ようやく口から大きく息を吸い込んだ。
「でもこれじゃあ、オシオキになっていません。自分だけが快楽に身を任せても、意味がありませんから。ハイ」
「も……やめ」
「いいえ。最後まで隊長に気持ちよくなってもらうオシオキをしなければ、ね」
カンナの体を抱き寄せたレンは、彼の小さな身体をソファの上に仰向けで寝かせ、その両足を持ち上げると、乱暴にカンナが履くトランクスを破り捨て、その尻部にあるキュッと引き締まった門へと指をやった。
「太腿から力抜いた方が良いですよ」
右手の人差し指で、門の周りを優しく撫でるレンは、左手の四本指を、カンナの唇を押し通し、口内へ侵入させた。
「念入りに舐めてください。なるべく唾液をつけるように。ハイ」
もう僅かな抵抗すら出来ない。カンナは口内に含んだ四本指を、まるで綺麗に掃除する様に念入りに、その一本一本の付け根にまで舌を絡めた。
唾液の吸着する音がぴちゅ、ぴちゅと音を奏で、しばしその行為を続けた所で、口の中から指を出したレンは、その唾液で濡れた指の一つを、撫でられた事により少しだけ広がったカンナの門へ、侵入させた。
「あ……、あぁっ!」
カンナの体内に、異物の入り込む感覚。最初こそ拒否をするように体をびくびくと震わせ、門をキュッと引き締めたが、その太腿を優しい手つきでレンの手が撫で、その結果緊張が解れたのか、門は異物をいつの間にか受け入れていた。
異物が二本に増やされ、再び体を跳ねさせたカンナだったが、次第にその指を操るレンの動きも過剰になっていく。
二本指を上下左右、ランダムに動かし、その体内をかき乱していくと、満足したようにその指を離した。
「……じゃあ、オシオキ最終段階、いきましょう。ハイ」
両の太腿を持ち上げ、まるで門を見せびらかせるようにしたカンナの姿に、一度だけ唾を飲んだレンは、しかし意を決したように、自身の膨張したそれを、門に当てて――
その門に侵入する、熱く滑りのあるレン自身。先ほどまでの指とは違う、熱さと大きさを身体で感じ取ったカンナは、目を見開いて歓声を上げる。
「あ――はぁっ!」
先端部が入り込んだだけなのに、身体をびくびくと震わせてソファを強く握り込んだカンナの指に、レンは自身の指を重ね合わせ、そして強く握る。
「どうですか、入って行きます。これから真ん中辺りまで入れますよ、ハイ」
「もう、無理っ、入らな、い……、っ!」
「大丈夫です。力を抜いて、自分を見てください」
深呼吸して、と指示したレンの言葉に従って、少しずつ呼吸を整えていく。一息吐く度に門はレンの物をキュッと締め付け、彼を離すものかと食い込んだ。
「良い子ですね。……じゃあ」
「いっ!?」
躊躇いも無く、そして気遣いも無く。
レンは自身の物を一気に、カンナの体内へねじ込んだ。
尻部と股間部がぶつかり合って、一瞬だけ肉と肉の衝突が音となった。
「ほら全部入りました。――もう、こんなに大きくして。隊長は変態さんですね、ハイ」
レンの目の前で、びくびくと震えるカンナの物を、空いている左手で強く握ったレンは、それを上下に揺すり、それを刺激する。
「ほら、ほらほら。部下に物握られて、挿れられて、こんなに大きく震わせてるなんて、恥ずかしくないんですか?」
「も、やだ……お願い、許して……っ」
「自分は最初から怒ってないですよ。ハイ」
じゃあ動かしますねと。言葉を一つ呟いた後、レンはただ肉欲に任せ、腰を引いて、そして再び奥まで押し込んだ。
奥に到達する感覚と共に、ギッギッと音を鳴らすソファの音と、カンナの門がきつく締められるタイミングが同時で、どこか面白くも感じた。
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