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第22話※

「まあ……俺の吸血行為の副作用でもあるわけだし」    それだけ言うと、雅弥が何かを言い出す前に素早くフロント部分を寛げ、下着からも雅弥自身を出してしまった。 (こんなことするの……初めてだけど)    少し緊張してしまうのを深い深呼吸で落ち着かせ、葵は覚悟を決めてから雅弥自身を口へと含んだ。  さすがに、いきなり全部は無理なので、先端は舌で、含めない部分は手で愛撫していく。 「葵くん……無理しなくていいからね」    そう言いながら、雅弥が優しく頭を撫でてくれるのが嬉しくて、葵はさらに大胆に雅弥を刺激していく。  しばらく一生懸命に奉仕していると、さっきまで優しく撫でていた雅弥の指先に力が入り、零れる吐息も熱くなっていた。 「んっ……葵、くん」  艶っぽい声で名前を呼ばれ、自分の愛撫で雅弥が感じてくれているのが嬉しい。  雅弥から与えられるだけじゃなく、葵も雅弥に与えることが出来る。  雅弥の呼吸が荒くなってきているのを感じながらさらに積極的に愛撫すると、いきなり雅弥の両手が葵の頭を掴んだ。 「ごめん、葵くん……目、閉じて」    いきなりの雅弥からの指示に、よくわからないまま葵が素直に従うと、雅弥が葵の頭を引いて自身をその口から引き抜いた。 「……っ……」    次の瞬間、生暖かい何かが葵の顔へとかけられた。  それが、雅弥の出した白濁とした欲望だと理解するまでにたいして時間はかからなかった。 「……んぅっ」    どうしていいかわからず、とりあえず口の中へと入ったものを葵が飲み干してしまうと、すぐに雅弥がティッシュで葵の顔を拭いてくれた。 「葵くん、ありがと……すっごく気持ちよかった」 「あ……うん」    改めて礼を言われると急に恥ずかしくなってきて、葵はそれだけ答えると俯いてしまう。  すると、そんな葵を労わるかのように雅弥が優しく唇にキスをしてくれる。 「じゃあ、今度は葵くんの番」    そう言うと、雅弥は葵の手を引いてベッドへと移動していき葵が抵抗する間もなく服を全て剥ぎ取ってしまった。  いきなり全裸にされて文句を言おうと思ったのに、目の前で雅弥も自分の服を全部脱ぎ去ったのを見て葵は何も言えなくなってしまった。  いつもは葵ばかり脱がせて、雅弥が最初から全部脱ぐなんてなかった。  割と理性の残っているうちに見せられた雅弥の裸体にどうしていいかわからなくなる。 「俺の舐めて興奮した? 葵くんのも……もう反応してる」    そう言って、雅弥はいきなり葵自身を口へと含み舌を絡めてきた。 「あっ、んあ!」 「こっちも……触ってないのに勃ってるよ」 「ああっ、あっ」    葵自身を弄りながら、胸の突起を少し尖った雅弥の爪で引っ掻かれると声が止まらなくなる。  ただでさえ久しぶりだというのに、今日は雅弥に愛されていると自覚があるせいで、葵はいつも以上に感じてしまう。 「後ろも触って欲しそうなんだけど……この指で入れたら、爪で葵くんの中を傷つけちゃうかな」    その言葉にさっき見た雅弥の獣のような爪を思い出し、葵は怖くなる。 「や……いやだぁ……」    あんなのを入れられたら当然、切れるに決まっている。  すると、いきなり雅弥が葵の身体をうつ伏せにひっくり返し膝を立たせる体勢にさせた。 「えっ、ちょっと……なに?」  後ろが全て見えてしまう体勢が心細くて文句を言おうと雅弥を振り返ると、雅弥は満面の笑顔で言った。 「痛いのが嫌なら、こうするしかないよね」    そして、そのまま葵の後ろへと顔を埋めて舌を中へとねじ込んできた。 「んあっ、あっ……やぁ!」    柔らかい舌に後ろを舐められ、恥ずかしさのため、葵はだんだんと気持ちいいのか気持ち悪いのかもわからなくなってくる。 「やっ、雅弥! 恥ずかし……んぅ」 「やっぱり舌だけじゃ中までは無理か……あれ?」    そんな言葉が聞こえたかと思うと、今度は硬くて細い物が葵の中へと入ってきた。  この感覚はいつも解すために入れられている雅弥の指のような気がする。 「大丈夫。爪はしまったから、いつもの俺の指でしょ」 「ば、ばか! しまえるなら、最初……んあっ!」    爪を自分の意志でしまえるなら、葵が後ろを舐められた意味がない。 「素直に舐められてる葵くん、可愛かったよ」 「うるさい!」 (他人事だと思って……こっちは本当に恥ずかしいんだからな!)    そう思っているのに、雅弥の指に中をかき回されると気持ちがよすぎて、葵はシーツに顔を埋めて喘いでしまう。 「んっ、やだ……雅弥、イきたい……」 「本当に……可愛過ぎる、葵くん」 「えっ、あ……後ろからすんの?」  恥を忍んで強請ったのに、いきなり雅弥に後ろから腰を掴まれ、葵は初めての体位に不安げに雅弥を振り返った。  それなのに、雅弥は憎らしいほどにエロい顔で笑って言った。 「だって、今の俺……獣だもん」 「あっ、ああっ!」  言うなり、雅弥は葵の上半身をベッドへと押さえ思いっきり腰を使ってきた。

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