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ソウルメイト

「まず、箱からカードを全部出してくれはりますか?」 ボクは差し出されたイルカとマーメイドが描かれた箱を受け取り、カードを全て出す。 「そしたら、利き手ではない方でカードを持って、利き手でこぶしを作ったら」 ボクは右利きだから左手にカードを持って、右手でこぶしを作った。 「トントンとカードを叩きなはれ」 言う通りにボクはカードを2回こぶしで叩く。 「聞きたいことをカードに唱えて?」 「ボクとけんいぬの関係はこれからも続きますでしょうか?」 ボクは念じるように言って、数秒目を閉じた。 「あとは好きなくらい混ぜて、1枚引いたら私に見せとくれやす」 その言葉通り、聞きたいことを頭で何度も唱えながら念入りにカードを混ぜ、1枚カードを引いた。 イルカが回転しながら飛び跳ねている絵が描かれているのを確認して、カニに見せる。 ふむふむと呟いた後、ボクの方を穏やかに微笑むカニ。 「戌川くんとの関係はソウルメイト……これからも良い関係のようどすね、ただ」 「ただ……なに?」 「より良い関係を続けるためには少しきいちゃんから積極的な行動が必要だと示されておりますね」 ボクからの、積極的な……行動? 良い関係というのでさえ驚いたのに、思いもしなかったアドバイスで頭が真っ白になる。 「例えば、コスプレとかヤキモチを妬かせるとかどうどすか?」 全然頭に入ってこないくらいパニックなボク。 「今度、出張の時にコスプレ買いにいきはりませんか? 私、協力いたしますえ」 それを聞いて、ボクはやっとハッとする。 「ボクとデートってこと?」 「そうどす……戌川くん、どうならはるでひょうね」 おほほと笑うのに裏があるのも知らず、ボクは嬉しさのあまり、ありがとうなぁと言ってニコッと笑った。

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