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順調どすね
「カニちゃん、どこでパーマかけてるの?」
「今度一緒にいきまひょね……きいちゃん、パーマ似合うと思いますえ」
余裕ありげに口角を上げるカニにαっていいなぁと思うボク。
県外の出張講習会を終え、足早にコスプレ専門店に向かうカニとボク。
ボクより10cmも高い身長に端正な顔立ちのカニの横でチビのボクが歩くのが恥ずかしいくらいだ。
しかも、街中を歩き慣れていないボクのために大きくてゴツい手でボクの小さい手を握ってくれているから、なんか変な感じ。
隣にけんいぬがいてくれたなら、ボクはどんな気持ちなんだろう
そう考えたら、急にムクムクと身体の奥から熱いものが沸き上がってきた。
「あっ、ハァッ……」
「大丈夫どすか? きいちゃん」
異変に気がついたカニは立ち止まってボクを見る。
「大丈夫、ごめんなぁ」
深呼吸したら、だいぶ楽になったからなんとか微笑んでみせた
じっとボクを見た後、なぜか穏やかに微笑むカニ。
「順調どすね」
優しく言って歩き出したけど、意味がわからないボク。
「なにが?」
「なんでもないどす」
「ねぇ、教えてぇ」
気になって聞き出そうと必死のボクを軽く受け流して進んでいくカニがちょっとカッコよかった。
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