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第26話 ふたり
朝のホームルームが終わって、みんなが体育着に着替え始める。
僕は体育があんまり得意じゃないから気分が上がらない。
しかも今日は嫌いなサッカーだから憂鬱.......
「おい、陸〜!早く行って練習でもしようぜ!」
「えー僕はいいや、先行っててー」
「なんだよー。まぁいいや分かった!」
走って教室を出ていく友人の誘いを断って、マイペースに準備を進めた。
男子はみんなサッカーがある程度すきだから僕以外はみんなテンションが高い.......
あんなのの何が楽しいんだろ。
体育着に着替え終わって、覚束無い足取りで階段の方に向かうと、階段の手前の教室で物音が聞こえた。
あれ。この教室普段誰も使ってないのに.......
と思って、中を除くとそこには蓮斗と頬を赤くした可愛い男の子がいた。
.......告白かな。
その光景を見た瞬間に胸が痛くなった。
キスをしてたわけでも、抱き合ってた訳でもないのに.......
蓮斗と他の人が二人きりでいるだけでこんな気持ちになるなんて.......
同時に蓮斗に告白されて返事もまだしてないのにこんなに醜い独占欲のある自分がすごく嫌になった。
僕は早歩きでその場を立ち去ると、階段をダッシュで駆け下りた。しかし今日寝てないこともあって、目眩で階段を踏み外してしまった。
やばい.......死ぬのかな.......
そう思った時にはもう遅くて、階段の1番上から下の方まで転げ落ちてしまった。
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