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第27話 涙

目を覚ますと白い天井に白いカーテンに囲まれていて、医務室にいることに気づく。 ぐずっぐずっ と誰かが鼻を啜る音が聞こえた。 左手に暖かい温もりも感じる。 「りくっ!目覚ましたのか!っ.......よかった.......」 蓮斗が僕より一回り大きい体で僕のことを包み込んできた。 しあわせだなぁ....... でもすぐにさっきの光景を思い出した。 「おまえ、階段を十段以上転げ落ちたんだぞ.......保健医の先生は頭は打ってたら命取りだって言ってた。っ.......本当によかった.......」 蓮斗が泣いてる......ちっちゃい頃から一緒だったけど始めて蓮斗が泣いているのを見た。 そんなに僕のこと心配してくれたんだ....... と嬉しい気持ちになる。 でも.......さっき一緒にいたあの子とどうなったんだろう....... 「ねえ、蓮斗。さっき空き部屋で話してた子.......誰? 告白されたの?.......付き合うの?すごい可愛い子だったよね。僕よりあの子のこと好きになった.......?」 「.......お前見てたのか? ごめん。確かに告白された。」 「っ.......」 ズキっと 音が聞こえそうなくらい胸が傷む。 「そんな顔するなよ、断ったよ。 どんなに顔が良い奴に告白されたって、 俺は一生お前だけだ。 おまえより可愛いやつなんていない.......。 ほんとに好きなんだ.......。」 蓮斗が真剣な顔で僕を見つめる。 いつも以上にかっこいい蓮斗に心拍数が一気に上昇した。

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