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第4話 衝撃
応急処置や介護の資格を取り、この会社の研修を経て今日が初めての実践。
通常は患者さんの転院とか、身体の不自由な方を遠方まで送り届けるとか、そういう業務が多いらしい。
まれなケースっていうのが引っかかるが、やるしかない。
先輩の足手まといにならない様、頑張ろうと思った矢先。
「ギャーッ/////////殺されるぅーツ///////」
家の中から突然悲鳴が聞こえ、バリーンというガラスの割れる音が辺りに響いた。
一瞬、オレと山岡さんは顔を見合ったが、すぐさま家の中に飛び込んでいった。
玄関の、冷たく硬い石畳の上には無数のガラスの破片が。
危ないので靴は脱がずに中へと入る。
「「失礼します。」」
二人で声を掛けて入った部屋には、髪を振り乱した女性が江口さんと依頼主の男性に押さえつけられていた。
「!!!・・・・・」
「車いすツ!! 早く用意して!」
江口さんに怒鳴られるように言われ、慌てて床の上に据え付けた。
「山岡、そっちの足持って!」
「はい!」
山岡さんは、女性の足を持とうとするが、凄い勢いで蹴られてしまう。
オレは正直ビビった。初めての光景を目の当たりにして、どうしてこうなったのか考える間もない。
ただ言われるがまま、女性が車いすに乗った瞬間さらしの布で躰を椅子に固定するのが精一杯。これは、暴れて椅子から落ちたら怪我をするし、自分たちに危害が及ばない為でもある。
その間も、女性は大きな声でわめき散らし、”人殺し”とか、訳の分からない言葉をぶつけてきた。
「じゃあ、これから病院に向かいますから! そしたら気持ちも体も楽になりますからね!落ち着きましょう、お母さん。」
江口さんの言った「お母さん」の言葉で、初めてふすまの向こうに、うずくまる子供がいる事に気付く。
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