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第14話 血の繋がり
叔父と甥。
その関係が曖昧で、もちろん本当の親族なんだろうけれど・・・・
色々な感情が頭の中を駆け巡る。
「驚いたでしょう?さっきの。」
オレの焦りが伝わったのか、隆哉さんのほうから言われてしまった。
「あ・・・はい。少し・・・」
照れるように言ったオレに「すみません。見なかった事にしてください。」と言う。
「も、もちろんです。別になにも、変な事じゃ・・・」
といったが、やっぱりオレにとっては ”変” な事だった。
あの、ミクと呼ばれる子は20歳だ。
小さな子供なら、叔父さんのほっぺにチュツ、とかあるだろうけれど・・・・
あれは・・・・・
「ボクとミクは、血のつながりは無いんです。」
「え?」
突然、聞きもしないのに隆哉さんが話し始めるからビックリする。
「ボクと明子は、後妻の連れ子なんですよ。姉さんが18の時、父がボクたちの母と再婚したんです。ボクは12歳でした。」
「あ、そうだったんですか・・・」
どうりで似てない筈だ。なんとなく胸のつかえが取れたような気がした。
「姉さんは跡取り娘でね、藤谷家は代々が女系の家なんです。それで、ボクは高校を卒業後あの家を出ました。その2年後妹も・・・」
「・・・は、あ・・・・」
正直、そんな内輪の事をオレに聞かせてもらっても仕方がないと思いつつ、それでも病院に着くまで隆哉さんは色々話をしてくれた。
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