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第20話 コーヒー苦手なオレ
オレは後悔した。
お茶を二本買えばよかったのに。どうして彼がコーヒーを飲むって思ったんだろう・・・
その時、長野さんが車に戻ってきた。
「内田くん、お茶買ってきたよ。きみ、コーヒー苦手だろ?」
と言いながら乗り込んで来て、後ろのオレたちに向かって言う。
「あ・・・・」
お茶を手にしたヨシヒサくんは、そのまま顔だけをオレに向けた。
なんだかバツが悪いっていうか・・・・長野さん、そういう事は言わなくていいから。と思いながらも、「はは、ありがとうございます。」といってお茶を受け取った。
ヨシヒサくんも、何も言わずお茶を口にしている。
「じゃあ、出発しま~す。」
長野さんの掛け声で、車はまた動き出すが、今度はヨシヒサくんがオレの横に座っていた。もう寝なくてもいいんだろう。自分で毛布を畳むと上の棚に乗せる。
「あ、ありがとう。そのまま置いといてくれていいのに・・・」
オレが言うと、「使ったものは戻さないとね。」と、言った。
案外キレイ好きなんだろうか、家の中も片付いていたし・・・
その後、オレとヨシヒサくんは窓の景色をじっと見たまま、自宅へ着くまでの道のりを無言で過ごした。
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