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第23話 豹変?

 「何を...........」 言いかけて言葉が出なくなる。 オレの方を見たヨシヒサくんの瞳は、まるでこの世の終わりの様な悲壮感を漂わせていた。 「......どうして.....?せっかく綺麗に咲いているのに。」 「俺は大嫌いだった。........こんな花!........大嫌いなんだ。」 そう言ってまた花を叩こうとするから、オレはその手を取り上げると動かない様に掴んだ。 これでも腕力はあるんだ。ヨシヒサくんの様な華奢な腕ならわけなく取り押さえられる。 「は、なせっ!!離せよ!!」 もがくが、オレの手は解けなかった。 「急にどうしたんだ?!さっきまであんなに落ち着いていたじゃないか。叔父さんと離れたのが、そんなにつらかったのか?花に八つ当たりなんて。」 オレは、ヨシヒサくんの躰を羽交い絞めの様にして、動けなくした。 「イ、ったい・・・・痛いっ!痛いから、もうしないから離してよぅ.......」 小さい声で言うから、可哀そうになって躰を離す。と、向きを変えたヨシヒサくんがおもいきりオレの腹を蹴った。 「グフツ、ぅぅ・・・」 いくら華奢でも、蹴られたらそれなりの力がかかる。 痛む腹を両手で押さえると、オレは地面にうずくまった。 なんでこんな・・・・・・・・・

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