「子供だな・・・・」 「・・・は？」 オレが放った言葉に、ヨシヒサくんが顔をしかめて言った。 大人げないとは思ったけど、ここは引けない。 何にムカつくのか知らないが、手も足も出ない花に酷い事をして許せるはずがない。 オレは、普段ならやり過ごすような理不尽さにムキになって怒っていた。 「弱い物や、刃向かわないものに当たるのは子供のする事だ。」 そう言いながら彼ににじり寄ると、上から見下ろす。 「なんだよ。もう任務完了したんだ、帰っていいよ。お仕事は終わり！the endだ。」 オレたちに背中を向けると、玄関の方に歩き出した。 「ヨシヒサくんッ！！」 オレは大きな声で呼び止めるが、「内田くん、もう・・・帰らないと。会社戻って報告書出さないと！」と、長野さんに引っ張られる。 「・・・・・・・」 ヨシヒサくんは、オレたちを見ることなく玄関につくと、引き戸を思い切りピシャンﾂ、と閉めた。