33 / 153

第33話 3度目の再会

 時間まで、雑務と車両の掃除をして過ごすが、なんだかソワソワしているオレだった。 浮き足立つ訳じゃないけど、ケンカ別れした友人に再会するみたいな・・・複雑な気分。 「じゃあ行ってきます。」 そう言って、オレは小型の車に乗り込むと藤谷家へと向かった。 三度目の訪問。 今日はどんな仕事になるんだろう。 時間と距離と、人員と搬送内容によって料金も変わってくるが、病院の付き添いなんて時間がどれだけかかるか分からない。順番を待っている間、オレはいなくてもいいんじゃないのか?と、考えながら走っていたら、わりとすぐに藤谷家へ着いてしまった。 「失礼します。依頼を受けてまいりました。」 「はい、すぐ行きます。」 玄関を開けて待つオレにヨシヒサくんの声。 相変わらずの若い声だ。つい先日聞いたばかりの声を再びこうして聞くとは.....。 それにしても、どうして腕なんか骨折したんだろうか・・・?

ともだちにシェアしよう!