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第47話 え、店番は?
「腕、もういいのか?」
見ると、ギブスはしていなくて、長めのニットで隠れているから分からなかった。
「うん、ほとんどいいよ。2ヶ月もあんなの付けてられないよ。あの後自分で頭洗うの大変で、だから一日おきに美容院で洗ってもらってたんだ。」
「は?!・・・」
「そうしたら、髪の毛も地味だから染めようって言われてさぁ・・・こんなんなった!」
一日おきって・・・・
やっぱり贅沢な奴だ。
オレとは住む世界が違いすぎるな。と思って口を閉ざした。
「じゃあ、オレは帰るから。また何かあったらご用命ください。」
と、営業用の言葉を残して帰ろうとすると、「待って。」と、腕を掴まれる。
「・・・あ?」
「俺も帰る。家まで送ってよ。」
ヨシヒサくんはそう言って、さっさと店を出ようとする。
「ちょ、っと・・・お前、店番だろ?」
店内を見渡すが、他に店員は見当たらなくて、オレは焦った。
店を無人にするなんてあり得ない。危ないだろう・・・・・?
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