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第51話 荒れた庭で
そう言えば、昔来たときも庭石が隠れるほど雑草に覆われていたっけ。
こんな大きな家なら、専属の庭師とかいるんじゃないのか?
門から玄関に入ってくる間も、あまり手入れはされていない様で、せっかくの庭がもったいないと思った。
ヨシヒサくんが来る気配が無いので、少しだけ障子を開けてみる。
目に見えるのは、思った通りの光景。相変わらず、雑草伸び放題の庭だった。
オレは、何を思ったか縁側のガラス戸を開けると、そこにあった下駄を履き庭へと出て行った。まるで吸い寄せられるように、足元にまとわりつく雑草を手にする。
ブチツ、
引き抜いてみると、意外と根っこが深くて、力のいることが分かる。
・・・だから、手入れできなかったんだな・・・。
隆哉さんの弱った腕では無理だろうし、ヨシヒサくんも、あまり腕力はなさそうだ。
「あ、ダメですよ。もっと寒くなったら枯れるでしょう。それまでこのままにしとくんだから!」と、紅茶を座卓に乗せて言った。
「冬までこのまんま?今までも、ずっとそうしてたのか?」
呆れて聞いたが、「そうです。」と普通に答えている。
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