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第52話 ご用命?

 オレは、足元に伸びた草だけでも、と思い抜いていく。 「いいから、そのままにしといてくださいよ。お茶が冷めるし・・・」 あんまり言うから、そっと抜いた草をまとめておくと、手を払って縁側から上がった。 「庭仕事、好きなんですか?俺は大嫌いで・・・」 「これだけの庭を雑草の住処にしておくのはもったいない。庭師とか雇わないのか?」 「俺の小さい頃はいましたね。月に一度は来ていたかな。けど、ここ7、8年は・・・」と言って口を閉ざした。 - あ、・・・そうか、お母さんが来させなくしたんだな。 きっと5年以上前から、あの状態だったんだろう。他人を家に入れる状況ではなかったか。 「あの、さっき言ってたでしょう!?アレ、なんでもいいんですか?」 ヨシヒサくんがオレの紅茶にレモンを入れながら聞く。 「アレ?・・・って、なんだっけ。」 オレが聞くと「何かあったらご用命ください、ってやつ。」と言ってオレの顔を覗いた。

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