67 / 153

第67話 ショックだ

 ここに越して来て、男を見たのは初めてだったけれど、もしかしたらオレが知らなかっただけでたまに来ていたんだろうか・・・・。 男が自分のアパートに女の子を連れ込むように、ミクも男を連れ込んでいたのかもしれない。 付き合う相手が同性だという事に、不思議と嫌悪感は抱かなかったが、実際の行為を目の当たりにしたらショックの方が大きい。しかも、それに興奮する自分にもっと驚いた。 前に頭を洗ってやった時は何にも感じなかったのに、今日アイツの尻を見ただけで、こんなにも動揺してしまうなんて・・・ オレは、少し落ち着こうと思ってシャワーを浴びる事にした。 腹は減っていたが、取り合えず着替えとバスタオルを手にすると風呂場へ向かう。 一週間たっても、この風呂には慣れないというか、浴槽が深くて一人で湯を張って浸かるにはもったいなくて、未だにシャワーしか使っていなかった。 この広さなら二人で入ったら丁度いいのに・・・・と思うと、一人恥ずかしくなってうな垂れる。 まさかミクを誘って、一緒に風呂に浸かろうなんて、言えるはずもなかった。 ・・・合宿生活と変わらないなんて、どうして思ったんだろう・・・・。 この先、オレのアイツを見る目が変わらなきゃいいんだけど・・・なんだか自信が無くなった。

ともだちにシェアしよう!