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第69話 いつもの御飯。

 オレが住む8畳間の和室は、机とパソコンと小さな雑貨入れが置かれているだけで、悲しいほど殺風景な独身男の部屋となっていた。 前のアパートの時、ベッドは場所を取るから購入しなかったが、ここで暮らすんなら買っても良かったな、と思う。広すぎる部屋にいるのは、かえって孤独感を増すものだ。 そんなことを考えながら、腹が減ったので台所へ行くと自分で買ってきた野菜と肉を冷蔵庫から取り出した。それからいつものスープの素。 これさえあれば、取り合えずのおかずにはなるし、残ったらまた明日の朝食べればいい。 適当な大きさに切ったキャベツやニンジン、玉ねぎなんかをスープの中に投入し、最後に豚肉を入れて煮立ったところで溶き卵を回し入れる。 その間に納豆を卵と混ぜて塩コショウをしておく。 ネギのみじん切りをフライパンで炒め、納豆と卵をざっと回し炒めたら昨日の残ったご飯を入れて炒める。 「よし、納豆チャーハンの出来上がり。」 ひとりで言えば、皿に盛り付けスープも入れて、それらをダイニングテーブルへと運んだ。 「おいしそうな匂い・・・・・」 そう言って、風呂から出てきたミクがダイニングテーブルに近づいて来た。 「・・・そうか?」と、少し照れながら言えば、 「俺も食べたいなー、寝ちゃってたからまだご飯食べてないんだよね。」 テーブルに置かれた料理を覗くように見ると、ミクが言う。 オレは、もう一つ皿を出すと、それにチャーハンを入れてやった。 「スープは自分で入れてくれ。」と言って、ミクの前に差し出すと、「うん。」と言った表情がパァッと明るくなる。

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