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第73話 男だし…
翌朝、少し早く目が覚めてしまったオレは、昨日買った食パンでサンドイッチを作る事にした。多めに作っておけばミクも食べるかもしれないし、食べなくても自分の昼用に出来る。
ハムときゅうりと薄くスライスしたトマトを挟む。それからもう一つは、卵を薄く焼いたものとレタスを挟んだ。
どうしてだろう、いつもは彩なんか気にしないのに、今朝は少しだけシャレた盛り付けをしてみる。ブロッコリーやゆで卵まで添えておくなんて・・・・。
出来上がったものを皿に乗せてじっくり見ると、なんだか恥ずかしくなった。
- 女子かッ!
少しだけドキドキしつつ、「おはよう、8時だけど・・・」と、ミクの部屋の前まで行って声を掛けるが返事は無い。
- あれ?起こしてくれって言ったよな・・・
少しだけふすまを開けて中を覗くと、足の先だけが布団から出ているのが見える。
頭からすっぽり布団を被っていて、オレの声が聞こえないのかな.....。
「ミク!朝だぞ。寝てるんならオレ独りで草刈りするから。」
ふすまを開けてそういうと、ミクの布団がもぞもぞと動き、顔が見えた。
ぼさぼさの髪をして、あどけない子供の様な顔でオレを見ると
「あ、そうだった・・・・草刈り・・・起きるよ。起きるから・・・」
バサッとベッドの上に上体を起こすと、頭を掻きむしる様に擦っている。
かなり寝起きは悪い様だ。
「大丈夫か?オレ独りでもいいけど・・・」というと
「へーき、へーき。すぐシャンとするから・・・」と言って床に足を降ろした。
大きめのシャツを着て、下半身はボクサーパンツを穿いているだけ。
細い太ももが露わになると、オレは目を逸らす。
- 男だし・・・・
自分に言い聞かせる。バスケ部の部室でどれだけオトコの裸を見た事か・・・
全くなんとも感じない。女の子じゃないんだから・・・・・
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