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第75話 動揺・・
地べたに膝まづきながら、意外と根っこの深い雑草と格闘する事2時間。
過ごしやすい筈の気温でも、額の汗が噴き出すほどに体は汗ばんでいた。
取っても取ってもきりが無い程、雑草は根深く繁殖している。
「はぁ」と、ため息をひとつこぼせば、ミクが少し離れたところからオレを見た。
「内田さん、休憩しようよ。喉乾いたし・・・後は、また今度にする!」
そう言ってオレの方に歩いて来る。
「そうだな、さすがにこれは今日一日じゃ無理だ。」
膝に付いた土を払いながら言うと、首に巻いたタオルで額の汗をぬぐった。
オレの横で、汗を拭いているミクの髪の毛に草が付いていたから指で取ってやる。
汗で湿ったミクの髪の毛がオレの指に当たると思わず手を離してしまったが、何を一人で焦っているんだろうと恥ずかしくなった。
ミクはそんなオレの事を気に留める様子もなく、乱れた前髪を自分の手でサッと直しているだけで....。
何故か、拭った筈のオレの額からは汗が噴き出ていた。
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