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第78話 入浴。

「・・・え、・・・一緒に?」 「広いから、二人でも入れるでしょ?冬の間は、隆哉さんとも入ってたんだ。すぐにお湯が冷めちゃうからさ。」 ミクの言葉で、確かにこの広さじゃ、お湯の温度も冷めそうだと思った。 おまけに小さな窓も付いているし、隙間風が入ってくる。 「おう、いいよ。せっかくいい湯加減だし、勿体ないもんな。」 そういうと、ゴソゴソと服を脱ぎ捨てる音がして、ガラッ と扉が開く。 「ごめんね、せっかく一人でゆっくりしてんのに。」 ミクはそう言って入ってくると、すぐにシャワーで躰を洗い出した。 「や、大丈夫、すでにくつろぎ過ぎたし・・・」 オレはほんの一瞬だけ下を向いたが、すぐにミクの背中に目が行った。 あの日少しだけ見えた傷跡。 でも今は、シャワーの湯気でくもったせいかはっきりとは見えなかった。

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