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第91話 喧嘩?

 ナスとピーマンを炒めながら、居間で飲む二人の様子が気になるオレは、さっき心で思った言葉を繰り返すと、胸のザワつきを覚える。 「応援」・・・って、何を? わざわざ応援しなくたって、とっくにあの二人は出来てるじゃないか・・・。 オレがおせっかいを焼く必要はないんだよな。 気を取り直して、豚肉のパックを開ければ全部入れて味付けをした。 オレの3日分の材料が消えるけど、まあ、喜んでくれたらいいか。 鍋の中をじっと見ては、ひとりため息をつくオレだった。 せっかくの料理も一人で食べるのは味気ないものだな、と今更になって思う。 オレが食べ終わった食器を洗おうと、椅子から立ち上がった時だ。 廊下の向こうから、何か言い合う声が聞こえてきたが、はじめはテレビの音だと思いそのまま台所へと向かった。 「.....やだって!!」 …ふと耳に入った声が、ミクのものだとわかると、何となく胸騒ぎがする。 (ケンカ?) 流し台に食器を置くと、オレは居間の方へと向かう。長い廊下を歩きながら、この間の光景が思いだされて、直ぐに襖を開けるのは躊躇した。 廊下で立ち止まり、耳を澄ますと、中から二人の声が。 「いいじゃん。あの人の部屋離れてんだから、聞こえないって。泊まったっていいだろ?!」 「やだよ。そういうのヤなんだ。」 何となく話の内容は分かる。このまま泊まりたいと言うユタカに、ダメだと断っているんだ。変だな、ミクはユタカを泊める気もないのに、家飲みに誘ったんだろうか!? 付き合ってるんだし、普通は泊めるだろ。 それに………、ヤることも有るだろうし。

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