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第122話 感触・・・
・・・・諦め・・・・
そうだな、オレも沢山の事を諦めながら生きてきた気がする。
15歳で親を亡くし、施設で暮らしながら高校へ通ったが、18歳になったら施設にもいられなくなり一人暮らしをしてきた。
年頃の同年代が遊んでいる頃、オレはアルバイトに明け暮れた。
それでも、周りの人には助けてもらったんだと思う。酷い扱いを受ける事はなかったし、仕事にもつけた。贅沢さえしなきゃ生きてはいける。
でも、それはオレの両親が、死ぬまでオレに愛情を注いでくれていたからで、ミクは違うんだ。
ミクは、隆哉さんや明子さん以外で愛情を感じた事があったのか・・・
「じゃあ、オレの膝に乗ってもいいよ。」
そう言ってミクの腕を取ると、からだを持ち上げて膝に跨らせてやった。
「えっ!・・・あ・・・」
膝に跨ったミクは、オレに向き合うと困った顔になる。
「なんで困った顔してるんだよ。よしよし、ってしてやろうか?」
オレが笑いながら言うが、ミクは膝の上で固まってしまった。
さすがに困らせるつもりはないし、「あ、ごめん。ふざけた訳じゃ無いん・・」と言おうとしたが、オレの首にギュっと抱きつくミクは、からだをピッタリ合わせてくる。
「・・・」
言葉が出なくて、今度はオレが固まってしまった。
「内田さんが悪いんだからね。せっかく俺が諦めようと思ったのに・・・」
そう言うと、ミクは突然オレの唇にキスをした。ミクのやわらかな唇がオレに吸い付くと、隙間を割って舌を入れてくる。
「ン・・・・ふ・・・・」
声にならない声が洩れ、柔らかい感触を味わう事になると、胸の奥にくすぶっていた何かが外れたみたいで、オレの腕も自然とミクの背中に伸びていった。
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