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第129話 思い出と変化
小鳥の囀りが聞こえると外の気配が変わったようで、自然と目が開き横で眠るミクを見た。それからなんとなく天井に目をやると、隆哉さんの事を思い浮かべる。
5年もの間、家族と離れてまでもミクを放っておけなかったのは何故だろう。
ミクが一緒にいてと懇願したらしいけど、いくら可哀そうだと思っても自分の娘よりミクを取るなんて考えられないな・・・
ひょっとして、隆哉さんもミクに.........。
いや、それは無い。それなら最後までここに居るだろう。
今日の日を最後に、隆哉さんの肉体は消え、後はミクや家族や親せき知り合いの心の中で、「おもいで」として生きていくんだ。その思い出は死ぬまでオレの中にも残る。
二人はここでどんな生活を送っていたんだろうかと、少しだけ気になった。
こうして布団に入れてやったりしたんだろうか.........。
寝ているミクを起こさない様に、オレは静かに服を掴むと居間の方で着替えを始めた。
今日からまた、通常の一週間が始まろうとしている。
オレの心は日に日にミクへと傾いていき、今まで気にもしなかった事が気になりだして、自分でも笑ってしまう程だった。
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