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第137話 溶かされる自制心
どうしよう・・・・心臓がヤバイぐらいにドキドキ高鳴っている。
こんなに顔が近くて、濡れた瞳で見られると・・・
またあの感触が蘇ってくる。男のわりに、膨らんだ柔らかそうな唇は半分開き気味。
「・・・・・」
何か言葉を発したら、そのまま流されそうな気がしてゴクリと生唾を呑み込む。
「内田さん、キスしてもいい?」
「ぇえ?!」
ミクの方からオレに言って来た。
返事に困っていると、ミクはオレの唇だけに目を落とし近づけてくる。
伏せた瞼に長い睫毛が揺れて、睫毛もしっとり濡れているようで、尚更心臓に悪い。
オレは完全に固まってしまった。
この状況で、手を出す訳にもいかず困ってしまう。
思わず目を閉じると、ふわりとした感触が伝わってしばらくは軽く当たっているだけで。
たったそれだけの事に、オレの全身が震える。
笑ってしまえば冗談で済まされるんだろうか.........。
でも、冗談にはできないくらいミクの唇は熱を含んでいた。
ミクは、歯の隙間を割ってオレの舌をなぞると、自分の舌で絡み取る様にしてくる。
濃厚・・・・という感じのキスは、この間の様にオレの自制心を溶かす。
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