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第138話 未知の領域に

 いつの間にか向き合うオレたち。 あんなに躊躇していたのに、いとも簡単にミクの素肌に触れてしまえば、手のひらに感じた背中の傷も気にならない程だった。 ん..............んん............ 夢中で互いに身体を寄せれば、いつの間にか自分自身に異変が。 - え・・・・! 焦った。これは異性に対する欲情と同じものだった。 ジワリと感じる腰のあたりの違和感。というか、正直な反応はオレだけじゃない。 ミクのモノも徐々に力を蓄え始め、オレの腹に当たりだした。  「触ってもいい?」 唇を離すと上目使いに聞いてくるが、ミクの手はオレの方に伸びていた。 「ぁあっ!!ちょ、チョット待って・・・!」 腰を引きながら言うと、取り合えずミクの腕を掴む。 キスはいい。変な話、抵抗はなかった・・・・・。 相手がミクだからなのか、オレはミクの唇に触れて、気が付けばものすごく欲していた。 でも、これは・・・・・・・・・。  自分は、この先ミクをどうしようとしているのか、想像ができない。 それに、はっきり言って怖かった。未知の領域に踏み込むには、オレの経験が不足していて・・・ 正直、女の子と関係を持ったのも遅くて、結婚を考えた彼女が唯一の女性だったから。 「ミク、待って。オレは・・・・どうすればいいのか分からないんだ。」 そう言ってミクの肩を掴むと、少し離した。 「・・・内田さん、まさか童貞じゃないでしょう?っていうか、触るのなんて普通でいいんだよ。自分で触るみたいに、さ。」 「・・・・」あっさりと言われて、言葉が無い。 触り方うんぬんの話じゃなくて、オレは根本的に気持ちの話をしているのに・・・・。 ミクはオレに近づくと、ゆっくりお腹に手を置いて指の腹を筋肉に沿って動かしてくる。 お湯の中では、感覚が鈍いというのか水圧がかかるからか、もどかしさを感じた。 「内田さん、このままじゃのぼせちゃうよ!また倒れたら困るから・・・出よ?!」 ミクがそう言ってオレの手を取ると、立ち上がった。 その時、ミクの分身がオレの視界に入り込んできたが、萎えてはいなくてドキッとした。 男のソレは、今まで目にした事があるけど、他人のこんな状態のものは初めて。 部活の先輩が、冗談で後輩のを弄っているのを見たことはあったが、ただ騒いでいただけで。オレはいじられるキャラじゃなかったし、横目で見ていただけだった。 「早く、・・・俺の部屋に行くよ。」 どんどんオレの手を引いて、浴槽から上がるとバスタオルを巻き付けたまま廊下を歩いていく。

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