148 / 153

第148話 意識してた?

 床についたオレの足は、固まったように動かない。 こうしてミクの身体を包み込めば、ものすごく安心する自分がいた。 その意味を本当は分かっているのかもしれない。 でも、それを口にしてしまうのが怖くて。 「ユタカ・・・あれから来ないな。」 「・・・うん。そうだね。」 自分で聞いておいて可笑しくなった。 結構気になっているんだなと思って......。 「ユタカとは・・・・付き合っているんじゃないのか?」 「・・・どういうのを付き合ってるって言うんだろう。前のカレシとは、外でデートもしたし、結構楽しくて付き合ってるって思ってたんだけど、ユタカは・・・ちがうな。」 「どう違うんだ?だって仲いいだろ。」 「・・・コレ言うと、絶対変な顔されそう・・・」 オレの顔を見上げると言うが、本当は聞かなくても二人の関係を知っていた。 それでも、ミクの口から言わせたい。 それを聞いて、オレの中で何かが変わるのか確かめたい気持ちもあった。

ともだちにシェアしよう!