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第148話 意識してた?
床についたオレの足は、固まったように動かない。
こうしてミクの身体を包み込めば、ものすごく安心する自分がいた。
その意味を本当は分かっているのかもしれない。
でも、それを口にしてしまうのが怖くて。
「ユタカ・・・あれから来ないな。」
「・・・うん。そうだね。」
自分で聞いておいて可笑しくなった。
結構気になっているんだなと思って......。
「ユタカとは・・・・付き合っているんじゃないのか?」
「・・・どういうのを付き合ってるって言うんだろう。前のカレシとは、外でデートもしたし、結構楽しくて付き合ってるって思ってたんだけど、ユタカは・・・ちがうな。」
「どう違うんだ?だって仲いいだろ。」
「・・・コレ言うと、絶対変な顔されそう・・・」
オレの顔を見上げると言うが、本当は聞かなくても二人の関係を知っていた。
それでも、ミクの口から言わせたい。
それを聞いて、オレの中で何かが変わるのか確かめたい気持ちもあった。
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