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第149話 独占欲だ…
「俺とユタカはセフレ。・・・分かる?」
「・・・・・」
「ほら、やっぱり言わなきゃ良かったよ。絶対気分悪くするって。男同士でセフレなんてさ・・・・。」
ミクはオレの背中から手を放すと、そっと後ずさりしながら言った。
「・・・じゃあ、恋愛関係ではないんだな。」
「うん・・・・・。」
それを聞いて、オレの中でくすぶっていたものが消えた気がした。
オレよりも繋がりの深いユタカに、何処かで負けた気がしていたんだ。
漠然と二人でいる事に心地よさを感じて、このまま自分の手の中に閉じ込めてしまいたいと思った。
ミクの心の隙間を埋めてやりたいと思ったのは、ただの優しさじゃない。
オレは、ミクをオレだけのものにしたいと思っているんだ。
これは愛しいと思うから。
誰にも触らせたくない。
同情なんかじゃないんだ。オレもミクに必要とされたいと願っている。
「・・・前に明子さんの家でオレに言った事、覚えているか?」
ベッドに腰掛けたミクに聞いてみた。
「諦めようと思ったって・・・・あれは、オレのことを?」
隣に座って目を見ると、ミクが少し俯きながらコクリと頷く。
「内田さんはずるいよ。俺の背中に触れておいて、意味はないって・・・もうしないって言ったきりでさ・・・。」
「ああ、そう言えばそんな事を・・・」
ふっと、笑いが込みあがる。
自分ではよくわからなかったけど、あの時からオレはミクを包んでやりたいって思っていたんだ。訳も分からず、この気持ちが何なのか問い詰める事もしないで・・・。
「ゴメンな。・・・ミクの事が好きだ。」
「え・・・?俺を?」
「そう、きっと初めて会った時から好きになってた。今、わかった。」
オレが隣のミクに手を伸ばしながら言うと、そっとその手を掴んだ。
「内田さん・・・。」
そう言うと、再び背中にまわしたミクの手は熱くて、今度は二人の心の中も熱く火照っていく。
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