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第151話 欲求
そっとオレが唇を這わすと、肩甲骨がキュッとあがり「は、ぁ.......」と息を吐く。
今日の行為は、この間傷跡へした口づけとは完全に違っていた。
オレの中で、ミクの肌を確かめたいという欲求が芽生えて、次第に激しく吸い付いてしまう。
互いに視線が交わると、顔が近づく。
「内田、さん・・・・」
そう言ったミクの唇を覆ったオレは、自分の本能に従うだけ。
肌を重ね、体温を確かめ合い、ミクを膝の上に乗せると、オレは目の前の平たい胸に舌を這わす。何の柔らかさもない胸の、小さな粒を口にすれば、ミクは大きくのけ反った。
ん............ンン.......
眉を寄せる表情は憂いを帯びていて、それを目にするとオレにも喜びが伝わる。
これは性別を超えて、オレがミクを欲しているという証。
この手で抱き、唇で触れ、心から繋がりたいと思う相手。
ずっと傍で互いの体温を感じ、目の端に移る姿で存在を確かめ合う。
そんな平凡な暮らしをここで、ミクと二人で育んでいきたい。
「ミク・・・・オレの側にいてくれ。オレを離さないで。」
「・・・うん、もちろんだよ。俺も、内田さんの側にいたい。ずっと・・・ずっと。」
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